外務省が「バラエティ番組に進出」のナゼ

“異色の”霞が関官僚が考えたらこうなった!

お役所が主導するイベントやPRは、なんだか堅苦しくて「つまらなそう」という印象を持つ人も少なくないだろう。だが、最近の外務省のメディア活動を見ると、少し見方が変わるかもしれない。
「情報バラエティ番組をテレビ放送」「音楽生ライブをニコニコ生放送で配信」「雑誌『BRUTUS』〈世界で生き抜く、いくつかの知恵〉の制作協力」など、外務省では10月を国際協力啓発月間として特別広報キャンペーンを展開した。
日本がODA(政府開発援助)を開始して60周年とあって、「われわれとしては大胆な企画に取り組んだ」と語るのは、一連のイベントの仕掛け人である外務省国際協力局企画官の荒木要氏。その荒木氏に、“異色の”メディア活動の狙いについて聞いた。
 

外務省がなぜここまでやるのか

――1時間番組としてTOKYO MXでのテレビ放送とニコニコ生放送でライブ配信された『僕らが世界にできること』は、「情報バラエティ番組」の形式で、外務省としてはかなりの“冒険”だったと思います。荒木さんも外務省の省員として番組に出演していますが、テレビ番組を使った広報活動として、これまでと大きく異なっている点は何ですか?

外務省提供のODA広報テレビ番組はこれまでも、テレビ東京系列で週1回5分のミニ番組として20年近く放送してきました。そのミニ番組を3月末に終了し、国際協力60周年の特別企画として1時間枠で制作、しかも「バラエティ」という形にしたのがこれまでと大きく異なる点です。

5分番組では、藤原紀香さん、知花くららさん、佐藤隆太さんなどがリポーターとなって、JICA(国際協力機構)や国際NGO、企業の方々の海外での取り組みを紹介するという形でした。今回の1時間番組では、元NHKアナウンサーの堀潤さんと元フジテレビアナウンサーの高橋真麻さんを司会に迎え、ゲストにはスチャダラパー、中幸介、ケラケラ、TEMPURA KIDZなど10組のミュージシャンを中心にお笑い芸人コンビ・ハライチの澤部さんなど、ぜいたくに思えるほどのメンバーが並びました。

限られた広報予算を、どの媒体にいくら使うか、テレビ番組の制作と宣伝広告のどちらに比重を置くかは頭を悩ませるところですが、今回は番組(コンテンツ)をしっかり作り込み内容を充実させることに重点を置くという決断をしました。

日本中に世代を問わず広く伝えようとするなら民放キー局で番組提供をするほうがいいのですが、(スポンサーとして広告代理店を通じてテレビ局に支払う金額には、番組制作費と電波料が含まれており、全国に系列局を抱える民放キー局の場合、番組を放送してもらうための系列局に支払う電波料も費用に含まれるため)予算内で1時間番組の内容を充実させるには限界があります。

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