これもあなた自身のスタバ体験を振り返るとわかるはずだ。あなたのスタバ体験は、スタバの店舗で生み出されているはずだ。スタバは、店舗と店員を通じて、顧客と直接触れ合うことが何よりの体験だと考えている。たとえば、スタバは広告などにおカネを使う代わりに、店頭で新しいコーヒーを試飲させるのだ。
スターバックスで8年間マーケティングプログラムの作成と実行に携わっていたジョン・ムーアは、著書『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)で、次のように書いている。
広告を何百回も見るよりも、実際にコーヒーを一口飲んだほうが、はるかに印象に残る。だからスタバは広告におカネを使わずに、店頭に来る消費者に直接訴えかけているのだ。
もちろん、マス広告の効果が失われたわけではない。マス広告が抜群の威力を発揮する場面は依然として多い。しかしマス広告は必ずしも万能ではなくなってきている。スタバのように、店舗・店員とソーシャルメディアを組み合わせて効果を上げる場面も増えてきているのだ。
そして賢い消費者に対して、昔ながらのアプローチで働きかけても、足元を見られるだけだ。消費者は本物を求めている。
現代のより賢くなった消費者には、より洗練された、より賢い方法で働きかけることが必要なのである。
(撮影:尾形文繁)
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