子の保育園時代こそキャリアアップすべき理由 「小一の壁」を乗り越えるための基盤を作る時

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それぞれの節目の年と親の年齢を重ね合わせ、節目ごとにどのようなキャリアを達成していくのか、収入はどうなっていきそうかなど、夫婦でシミュレーションをしてみてください。

「保育園時代が一番恵まれていた」と後から振り返って後悔することのないよう、長期的視点でキャリア戦略を立て、ライフプランの中に織り込んでいくことが大切です。

Iさんは最初から計画的に準備を進めていたわけではなく、出産した後に長女の頻繁な発熱という事態に直面し、会社と在宅勤務を認めてもらう交渉をしたり、夫婦で話し合って病児保育のある地域に引っ越すなど、目の前のピンチを切り抜けるための方法を考えてきました。

ただ、初めての子育てだと不安が大きく、子どもの発熱などが続くと気持ちが萎えたり、自分を責めたりして、一旦仕事をやめるという選択をしてしまうケースもあるのではないでしょうか。夫婦の話し合いがうまくいかないとなおさらです。

育休中は共働き子育てのためのインフラ作り

「育休中の妻が家の事をするのは当然」の落とし穴」でも述べたように、育休中に共働き子育てのためのインフラ作りをするのがお勧めです。

第2子出産も視野に入れているのであれば、子どもが小さくても可能な限り、「働く仲間」として認めてもらう努力はしたほうがよいでしょう。

第1子での育休取得と職場復帰、そしてその後の仕事ぶりは、当然上司や同僚もみています。「育休をとってもちゃんとやる人」という信頼があれば、第2子の育休取得も快く受け入れてもらえるでしょうし、帰れる場所を確保することにもつながります。

第1子のときに共働きのためのインフラ作りを行い、実際に経験済みですから、第2子の産休・育休期間は、第1子との信頼関係を強固にし、やがて家族の一員となる弟や妹を迎え入れる心の準備を促す時間に充ててください。

育休期間に限りませんが、共働きを続けるには、子どもの協力が不可欠です。子どもが働く親の姿をネガティブにとらえることのないよう、しっかりコミュニケーションをとることで、気持ちよく毎日を過ごすことができます。

内藤 眞弓 FP&コミュニティ・カフェ代表

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生命保険会社で13年間営業に携わる。独立系FP会社「生活設計塾クルー」で相談業務を行う。「医療保険は入ってはいけない!」など著書多数。

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