スクエニ元社長、「さあクラウドゲームだ!」 新会社シンラ・テクノロジーに込めた熱情

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――まったく違うゲームがクラウド上に生まれる可能性も?

 たとえば「FF11」では基本的に、すべてのプログラムにイベントフラグを埋め込んで仕組んでいる。今までのゲームはいかに仕組むかだったが、それでは夢も希望もない。

最初にコンピューターゲームができたときはコンピューター対人間で、それからネットゲームになりコンピューターが媒介して人間同士が遊ぶようになった。今度はクラウド上でコンピューターが一つの生き物になる。時間や意思を持ち、その中に僕らが対等に入っていくイメージ。全然違うゲームになると思う。

たとえば自然界では天候が勝手に変わり、人間にひどいことしたする。あるいは環境破壊すると自然は”復讐”しますよね。そういうことが起きるんです、クラウドゲームの中で。

エコシステムを作る必要がある

クラウド上のゲームは「これまでと全然違うものになる」という

――開発パートナーは、どうやって探していきますか。

この会社を500人体制にするよりも、100人とか200人程度で外縁にパートナーが5000人いるみたいな会社にしたい。だから来年から儲かることは絶対になくて、5年後によくなっているなら、それでも相当いいほうだと思う。

われわれはエコシステムを作らなければならないので、基礎技術やデータセンターに投資してもらう人、回線を追いかけてくれる人を探して組成していくイメージ。最終的にエコシステムの中でプラットフォーム屋さんになるのかどうかは、そこから考える。まずは僕らが初期段階で先導するという立ち位置で、開発費用はデベロッパーさんが持ってくださいという考え方です。

――そうすると、スクエニのグループ内に存在する意味はさほどないのでは?

スクエニには最先端のコンテンツを作ってほしいから、シンラ・テクノロジーがあることでクラウドゲーム事情や技術がわかるわけです。それをヒントに、新しいものを作って欲しい。スクエニ側がどう活用するかという話です。

――今後の資金調達を考えると、資本関係も変わる可能性もありますか

 これは相手のある話ですから、今はわからない。可能性としては未来永劫100%ではなく、門戸を開放していくということですね。

(撮影:梅谷秀司)

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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