西武ライオンズがコロナ禍も埼玉密着を強める訳 ボールパーク構想を進め、野球普及活動も展開

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カタログ通販大手がベルーナが「西武ドーム」のネーミングライツを取得(写真:時事)
埼玉西武ライオンズは2021年3月に本拠地メットライフドーム(2022年3月からベルーナドーム)の改修工事を終えて、新しくなったスタジアムと、周辺施設を報道陣に公開した。「西武ライオンズ『ドーム改修』で大胆な変貌の訳」でも紹介したように、ボールパーク構想を強力に推進しようという球団、そして西武グループの強い意志を感じさせるものだった。2022年もオミクロン株の蔓延など、視界不透明な状況が続くが、埼玉西武ライオンズは、どんな展望を抱いているのか? 光岡宏明経営企画部長に聞いた。

コロナ禍で観客動員数は厳しい状況

――2019年には埼玉西武ライオンズの観客動員は182万人を記録。順調に動員数を伸ばしてきましたが、コロナ禍によって2020年は30万人、2021年は62万人と激減しました。経営への影響は?

2020年の春には、すでに球場の改修が進んでおり、一部の施設は完成していました。これから観客動員を増やしていこうと意気込んでいた矢先でのコロナ禍でしたから、なおさらダメージが大きかったですね。2021年は、おかげさまで無観客試合はなかったのですが、緊急事態宣言が出たりアルコール飲料の販売制限もあったりして、引き続き厳しい年となりました。

光岡宏明経営企画部長(写真:筆者)

ただスタジアム改修によってシートも全面的に変えたこともあってか、来られるお客様の購買意欲もすごく高かったので、客単価はあがりました。人数の減少が大きすぎたために、カバーできたわけではないですが、救いではありました。

また、昨年は栗山巧選手の2000本安打というメモリアル大記録達成があり、何段にも分けて細かく記念グッズを販売するなど、着実に手を打っていこうという姿勢ではいました。

――2021年3月の改修工事の竣工お披露目のときは、メディアから「グループ全体の業績も厳しい中でのグランドオープンだが」という質問が飛びました。ライオンズのオーナーでもある西武ホールディングスの後藤高志社長はライオンズを「グループのイメージリーダー」と位置づけていますが?

単純に野球で勝った負けたではなく、ライオンズは「シンボル」として輝いてもらいたいという位置づけです。昨年のペナントレースは残念な結果となりましたが、つねに新しいことをやっていくことは変わりません。球場も新しくなりましたし、隣の西武園ゆうえんちもリニューアルしました。また所沢駅の西口の開発も進んでいます。

これまで所沢は住宅地から都心に出かけて行って仕事をして戻ってきて寝るという街=ベッドタウンでしたが、これからは西武グループの言葉でいうと「リビングタウン」、つまり、いろんな経験をご提供するような街にしていきたいと考えています。ライオンズはまさにその象徴になるわけです。

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