消費増税、影響が「想定内」でなかったワケ

なぜ日本経済の回復は遅れているのか

消費増税への対応に各社工夫を凝らした(写真撮影:大塚一仁)

4月からの消費税率引き上げで経済活動は落ち込むものの、夏場には急速に持ち直すという政府や多くのエコノミストの予想は外れ、回復はもたついている。

7月の鉱工業生産指数は前月比0.4%の上昇にとどまり、8月は同1.5%の低下となった(図)。8月の速報と同時に発表された9月の製造工業生産予測指数は、前月比6%の伸びが見込まれているが、この通りになったとしても7~9月期の生産は4~6月期に比べて減少となってしまうおそれがある。

在庫が積み上っているため、在庫の削減が優先され、生産は抑制される可能性が高い。秋以降も、生産の回復ペースは緩やかなものにとどまることが予想される。

政府は消費税率を2015年10月から10%に引き上げるかどうかの判断を、7~9月期の経済成長率の発表を待って12月に行うことにしている。7~9月期の高成長を材料に、消費税率を予定通りに引き上げるとの決断は難しくないと思われていたが、状況は微妙になっている。

今、公共事業を増やしても景気浮揚効果はない

増税を見送った場合の国債金利上昇を懸念して、政府は12月に予定通りの増税を決断する可能性が高いと思われる。だが、その際には、次の消費税率引き上げ時に予想される経済の落ち込みに対して、それを相殺するような財政支出を用意するということが考えられる。これまでの景気対策では、需要の不足に対して即効性のある公共事業を増やすということが多かった。

しかし現在の日本では、従来型の公共事業を増加させる景気対策を行っても建設労働者の不足で事業が執行できないという状況になっている。今回の消費税増税後に予想されていた需要不足に対しては、5.5兆円という規模の2013年度補正予算で対策を講じたはずだった。

しかし、GDP(国内総生産)統計を見ると4~6月期には公共事業は実質で前期比年率2%の減少(寄与度はマイナス0.1%ポイント)となっており、期待されていたような需要の下支え役にはならなかったことがわかる。(図)

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