藤野英人氏、「良質なデータには鼓動がある」

カリスマファンドマネージャーのデータ分析論

データ分析は「儲かる」のかーー?
これだけデータが注目される今日において、この問いに「No」と答えるわけにはいかない。しかし、必ずしも「Yes」と答えられるわけでもなく、「やり方次第でYesにもNoにもなる」としか答えようがないことがほとんどではないだろうか。
では、データはどのように活用すれば「儲かる」、つまりはビジネスとして成果を生み出すのか?クラウド型の統計分析ツールxica adelieを提供する株式会社サイカが、様々なビジネスの現場でデータを活用するプロフェッショナルへのインタビューを通じて、その「可能性」や「限界」はどこにあるのかを探って行く。
今回は、「レオス・キャピタルワークス株式会社」のCIO(最高運用責任者)であり、日本株で運用する投資信託の最高評価を3年連続で獲得した*投資信託「ひふみ投信」のファンドマネージャー、藤野英人氏にお話を伺う。
※2012年、2013年、2014年「R&Iファンド大賞 」を受賞

データと投資の関係

――投資においてデータとはどのような存在でしょうか。

運用を車に例えるならば、データはエンジンです。シンプルに言うと、投資というアクションは何らかしらの定量・定性データによる判断です。つまり、データというエンジンが無いと投資は動きません。

――一般の投資家は、どのようなデータを分析すればいいのか、迷いそうです。

投資家が触れられるデータは二つあります。ひとつは株価の情報。もうひとつは会社の情報、業績です。前者が成果とすると後者は要素になるわけですが、業績データの中でも特に私が重要視するデータは営業利益です。と言うのも、株価と営業利益の相関係数は、半年ぐらいのトレンドで見ると1であり、営業利益が読めれば株価が予測できるからです。

この営業利益を説明する要因、特に敗因を発見することが主な分析になります。

――どのようなデータが、株価・業績(営業利益)を説明するのでしょうか。

データを選抜する際の基準は“血が通っているかどうか”です。良質なデータの中には鼓動があります。それはつまり、人間と連動しているということです。株価や業績、そして営業利益に関連しそうなデータの中で、とにかく人間の思考や行動に紐づいているものを選んでいきます。

たとえば、私は企業の業績を予測する際、ホームページに役員の写真が載っているかを見ます。何故なら、世間に顔を開示するということは“顧客に対して責任を取る”という経営陣の覚悟を表しているためです。事実、この仮説をデータ化して検証したことがありました。分析内容は極めてシンプルで、上場企業(時価総額上位200社)の企業ホームページを「1.社長と役員の写真が掲載」「2.社長のみ写真掲載」「3.写真掲載無し」と仲間分けし、株価のパフォーマンスとの関係を見ました。結果、1のパフォーマンスは業種に関係なく他を圧倒しており、2は次に良く、3は最低のパフォーマンス、ということが判明しました。

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