脱・イオン流の本気度、ジャスコの看板下ろすイオン

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脱・イオン流の本気度、ジャスコの看板下ろすイオン

イオンが“イオン流”と決別する。低迷が続く総合スーパー(GMS)事業で、傘下の3子会社を来春にも統合する検討に入った。

対象となるのは「ジャスコ」を展開するイオンリテール、「サティ」「ビブレ」を展開するマイカル、日本から撤退した仏流通大手カルフールから譲受した店舗を運営するイオンマルシェで、いずれも100%子会社。統合を機に店名も「イオン」に統一する。

イオンは経営再建企業を中心に同業他社を次々と買収し、規模拡大を追求してきた。買収企業の経営で重視したのは、各社の自治制を重んじる「緩やかな連帯」だ。

最たる例は、1997年に買収したヤオハンジャパン。経営再建は当事者が行うとの理念の下、「再生を支えるのみ」(イオン)という姿勢を貫いた。生活用品を扱うスーパーは、地域特性や客層を把握して品ぞろえに反映させる必要がある。よく知る側に主導権を握らせた結果、ヤオハンは地域密着型の食品スーパーとして復活を遂げた。

この後も2001年にマイカル、05年にカルフールの国内事業、07年にダイエー(出資比率20%弱)と出資先を拡大し、同様の自治体制を敷いた。マイカルでは食品売り場でイオンのノウハウを導入する一方、得意の衣料品では独自商品を展開。新規出店も行い、改善へ向かっていた。

既存店が自滅した

だが、リーマンショック後の消費不況で状況は一変。イオン全体のGMS事業の08年度営業利益は、前期比3割減と急降下した。大量出店による規模拡大へ邁進したほころびも出て、「既存店が弱体化して自滅した」(岡田元也社長)。そこで、翌09年度には黙認してきた既存店の高コスト体質にメスを入れ、大幅なコスト削減に成功した。

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