イライラ・怒りが減る「1日3行日記」のすごい効果 カーッとなったときは、まずは大きく深呼吸を

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書き出す3つの順番にも意味があります。

最初にイヤだったこと、つらかったことを吐き出すのは、あなたが何にストレスを感じたのかを知るためです。毎日繰り返すことで、あなたのネガティブなこだわり、とらわれていることが浮かんできます。

過去の人間関係なのか、経済的な悩みなのか、漠然とした先行きへの不安なのか。いずれにしろ、こだわりととらわれの傾向が見えてきます。そして、それを文章として書き出すことで、これまでは抱え込んでしまっていたストレスを発散することができるのです。

実際、心理学の研究では、ネガティブな感情を書き出すとストレスが軽減されるという報告がなされています。

1日のなかで「よいこと」を探し始める

イヤだったことの次によいことを書くのは、気持ちを切り替えるためです。

3行日記を習慣化すると、この1行の文章を書くために、あなたは1日のできごとのなかからよいことを探すようになります。すると、ある時点で日記を見返したとき、過去にあったことはイヤなできごとばかりではなかったと気づき、事実に客観的に向き合えるようになるのです。

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40代、50代になると副交感神経の働きが低下しやすくなります。でも、うれしい、楽しい、幸せといった感情を意識することで、副交感神経の働きを高めていくことができるのです。

日記に書くのを見越して、親しい友人と食事に行く約束をしたり、好きな場所にでかけていったりと、ポジティブな感情を生み出すできごとを自ら作っていくのもいいでしょう。

最後に「明日の目標」を書くことで、未来に目を向けてすっきりした状態で1日を終えることができます。以上、3行日記は非常にシンプルですが、ストレスを軽減し、自律神経を整えるのに優れた効果を発揮します。

小林 弘幸 順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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こばやし ひろゆき / Hiroyuki Kobayashi

1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

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