4代目までは僕が直接育てる[下] 孫正義・ソフトバンク社長が激白60分!

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アップルとは最初から緊張関係

――足元の話を伺います。アイフォーンが大人気ですが、もしアップルがSIMロック解除を決め、他のキャリアでもアイフォーンを使えるようにすれば打撃が大きい。アップルの思惑次第であり、緊張関係がありますね。

独占契約というものを結んでいるわけではない。ですから、第1日目が始まる前から緊張関係。そもそもNTTドコモのほうがお客さんの数は多いうえ、用いている周波数帯も有利。にもかかわらずアップルがわれわれを選択してくれた。だから、最初から1日たりとも、われわれは気を緩めていい状況ではない。

――ドコモは、総務省の方針にのっとり、来年4月以降の新端末はSIMフリー(端末をどのキャリアでも使えるようにすること)に対応できる機能を付けると表明しました。

SIMフリーには一長一短あるので、われわれもバランスよくつねに検討はしていきたい。しかし、そもそもSIMロックだとかSIMフリーとかいうのを、外から誰かが強制的に決めるものではない。企業対企業で決めるものだ。メルセデスがヤナセを選ぶのか、トヨタの地元の販売店を選ぶのかというのは、国が法律で決めますか?

われわれは倒幕の戦いをしている。倒幕の真っ最中に、坂本龍馬は自分たちが仕入れた武器を幕府に横流しなんてしていない。

――幕府はドコモですか。

もともと国がつくった会社ですからね。これからも、切磋琢磨をしていくことになると思います。

(撮影:今井康一)

桑原 幸作 東洋経済 記者
山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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