プライベート・エクイティファンドは危機を誘発しない、付加価値生み出す--カーライル・グループ共同創業者 デイビッド・ルーベンシュタイン

プライベート・エクイティファンドは危機を誘発しない、付加価値生み出す--カーライル・グループ共同創業者デイビッド・ルーベンシュタイン

886億ドル(2009年末)の運用資金を誇るカーライルは、トップ級のプライベート・エクイティファンド(以下PE)。経営者とともに上場企業を買収して非上場化させ、経営を立て直した後に株式を売却して利潤を得る、バイアウト投資が得意だ。金融危機前は米国資本主義の顔ともいわれた投資ファンドも、リスクマネーが縮小した危機後の現在、その役割が変わってきた。カーライルの共同創業者、デイビッド・ルーベンシュタイン氏に、現在のPEについて聞いた。

-- リーマンショックをもたらした誘因の一つに、投資ファンドの存在があったのでは。

米国の議会や規制当局は、大手の商業銀行、投資銀行、それからファニー・メイ、フレディ・マックといった一部の政府機関が原因だったという結論に達している。

PEはシステミックリスクの原因ではないという結論なので、PEに対し不当に厳しい規制が課される可能性はないだろう。むしろ、ヘッジファンドへの規制が厳しくなる可能性がある。一部のヘッジファンドが危機のトリガー役を果たしたとの指摘もあるからだ。

-- リーマンショック前、PEが相場よりかなり高い価格で企業買収していたことが、マネー資本主義を助長させたとの見方もあります。

PEは米国で大手企業を買収したことで注目を集めたが、グローバルな経済に占めるPEの規模は極めて小さい。たとえ、PEがフェアバリューよりも高い価格で買収したとしても、それがグローバル経済に大きな影響を与えることはない。また、米・欧のPEがリーマン前に高額で買収した上位20社の再生案件で、経営破綻したケースは一つもない。

-- では、金融危機を通じてPEが得た教訓とは何でしょうか。

第一に、買収した企業の債務削減や企業価値向上に、PEはもっと時間を割くべきだ。第二に、規制当局や議員、労働組合、環境団体、消費者団体に、PEが経済社会にいかに付加価値を生み出しているかを周知徹底することも必要。今までは説明不足だった面もある。

第三には、買収した企業が景気下降期に耐えるだけの措置を、PEがどれだけとっているかなどを、もっと出資者に説明すべきだろう。

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