国内工場新設に500億円、ファナックの成算

推定100億円、栃木県南部の産業用地を購入

土地売買の基本合意で握手する福田富一栃木県知事(左)とファナックの稲葉善治社長(写真:栃木県のホームページより)

区画を分けて大小さまざまな企業を誘致しようと考えていた栃木県にとって、広大な産業用地を丸ごと買い取る事業者が出てくるとは予想していなかっただろう。

その買い手は富士山麓に本拠を置くファナックだ。同社は9月2日、新工場用地の取得で栃木県と合意したことを発表した。土地の取得額は100億円前後とみられ、建屋や設備も含めた総投資額は500億円にのぼる。

半製品を輸出して組み立てている中国拠点を除き、ファナックは全量国内生産を貫いてきた。新たに土地を取得して工場建設を行うのは、1991年に立ち上げた隼人工場(鹿児島県)以来だ。工場新設の狙いは「中国やインドをはじめとする市場の拡大に備えた投資」(ファナック広報部)という。また、高速道路が近く物流の利便性が高いことも、用地買収を決めた大きな理由だった。

分譲されていない土地も購入

今回の合意に当たって、福田富一・栃木県知事は「産業用ロボットや小型マシニングセンタなど、卓越した技術力を武器に世界のトップを走るファナック株式会社が栃木県に立地頂けることは大変喜ばしく心から歓迎する」とコメントした。

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ファナックが買い取る栃木県南部に位置する壬生町の土地。広さは東京ドーム4~5個分に相当(写真:栃木県のホームページより)

県南部に位置する「みぶ羽生田産業団地」の産業用地を栃木県が売り出したのは2012年12月。最初に2区画(合計1.7万平方メートル)の契約が決まったものの、それから1年以上、買い手がつかないでいた。

だが今年4月頃、不動産仲介業者を通じて、「お客さんが大規模な土地を探している」という話しが栃木県に寄せられる。後になってわかるが、そのお客さんがファナックだった。6月に第2期分譲として30万平方メートル超の土地を売り出したところ、最終的にファナックは、まだ売り出されていなかった造成予定地も含めて合計70万平方メートルの買い取りを決めてしまった。

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