現在、DVDと本が売れに売れていて、1万円以上もする「孤独のグルメ Season 4 Blu-ray BOX」「孤独のグルメ Season 4 DVD-BOX」はアマゾンの売り上げランキングでそれぞれ9位と10位にランクイン(9月1日現在。日本のテレビドラマDVD部門)。ブルーレイのほうが人気が高いということ、発売は12月なのに予約の段階でこんなに売れているとことから、いかにこの番組にコアファンが多いかがうかがえます。
原作本は累計52万部を突破し、番組で紹介したお店を掲載した『孤独のグルメ 巡礼ガイド』(扶桑社)も発売されました。グッズは、昨年、「孤独のグルメ 特製湯のみ」が発売されたのですが、当然のことながら完売。グッズをもっと作ったら売れるのに売らないのは、テレビ東京らしいところです。
しかし、実写の深夜ドラマでこれだけのマルチ展開ができるのは異例で、低予算でいいコンテンツを制作し、一定数のコアファンを獲得すれば、たとえ視聴率はそんなに高くなくとも、大きなビジネスになることがわかります。この番組ならフォーマットが海外にも売れそうですし、ますますビジネスは拡大していくことでしょう。
男のロマンを礼儀正しく体現する井之頭五郎
「孤独のグルメ」の視聴者は、30代から40代の男性が多いようです。しかも、『孤独のグルメ 巡礼ガイド』によれば、ファンは、五郎さんが行った店を“巡礼”しに行っても、五郎さんになりきって独りで食べるので、ものすごく礼儀正しいのだそうです。放送後、人が押し寄せ、てんてこまいとなった小さな食堂で、ファンが後片付けとかを手伝うのだそう。これもきっと番組を愛しているからだと思いますが、なぜこんなにも男性視聴者の心をくすぐるのでしょうか。
まずは、主人公の設定が心憎い。井之頭五郎(松重豊)の年齢は明かされていませんが、松重豊さんの見た目から想像するに40代から50代。独身で、自営業。個人で雑貨輸入業を営んでいて、たまにパリなどにも出張。上司も部下もいません。お客さんのところに商談に行っては、その先々でおいしそうな食堂や居酒屋を探して、独りでごはんを食べます。そして、食べたいものをテーブルに乗り切らないぐらい頼んで、全部食べきるのです。
「孤独のグルメ」は、基本、五郎さんの心の声を軸に話が進みますが、要所要所でお店の人やお客さんとのコミュニケーションもあり、何とも楽しそう。しかも五郎さんはお酒を飲まないこともあり、礼儀正しい。独身で、好きな仕事をして、上司も部下もいなくて、通な店を発見して、好きなものを好きなだけ食べる。
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