日経平均の「大相場」が始まったのかもしれない 「倍返し」では終わらない可能性が出てきた?

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どちらの目標値に進むにせよ、その期待が高まったのは、9月に入って調整ぎみの米欧の株価に対して、日本株が突出して強さを示していることによる。今まで日本株をスルーしていた海外投資家も目の色が変わった。

日経平均は8月31日以降「12陽連」を記録

8月31日のNYダウは3万5360ドル、日経平均は2万8089円だったが、9月17日現在、前者が3万4584ドル(8月31日比で約2.2%のマイナス)、後者が3万0500円(同8.6%のプラス)となっている姿を見て、日本株の組み入れ比率を上げたファンドも多いと聞く。

しかし、国内投資家の一部では、倍返しからさらなる大相場を期待する見方も増えている。その理由の1つが「12陽連」の出現だ。

基本に立ち返ると、ローソク足チャートは、寄り付きより引け値(終値)が高い場合は白か赤で記入する。これを「陽線」と呼ぶ。その連続するさまを「陽連」という。3日続けば「3陽連」、5日続けば「5陽連」となる。

テクニカル分析の世界では5陽連が最も有名で、もし下落相場の底値圏において5陽連が出ると、「買いシグナル」として注目される。とくに株価水準が下値から大きく動いていないとき(下値モミ合い中)に出ると、「買いの有望なタイミング」として今も密かに珍重されている。

直近の日経平均の上昇局面では、8月31日以降、9月6日の終値2万9659円までで5陽連となった。ただ、このときはすでに直近の安値である2万6954円(8月20日、取引時間中)から3000円以上も急騰していたため、せっかくの5陽連になってもあまり意味をなさなかった。しかし、今回は5陽連で終わらず、9月15日まで12陽連となったのだ。

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