総裁選「岸田・河野氏の話し方」大解剖、ここが問題 2人から「国民の心に刺さる言葉」は出るのか

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そこで、昨年9月1日の総裁選出馬表明の会見と比べてみました。すると、確かに「話し方」が変わっています。当時はこんな風に話していました。

「こういった時代にあって、日本のような島国で、資源がなく、そして、人口が減少していく、こういった国が、どうやって、存在感を示していくのか、これを今、真剣に考えていかなければならない。こういったことだと思います」

考えながら、言葉を紡いでいるようで、「冗長な言葉」や「繰り返し」が多いといった特徴がありました。

しかし、今回の「出馬表明の話し方」はこんな感じでした。

「政治が信頼できない。期待しても仕方がない。切実な声が満ち溢れていました。国民政党であった自民党に、信頼が崩れている。自民党が国民の声を聴き、幅広い選択肢を示すことができる政党であることを示し、もって、我が国の民主主義を守るために自民党総裁選挙に立候補いたします」

つまり、岸田氏の「話し方」で、次の5つの変化がみられたのです。

①「えー」、「あー」などの言葉が劇的に減っている
②「言葉の繰り返し」が減っている
③国民の声をしたためた「ノート」など小道具を見せるなど、演出をしている
④言葉に力を込め、「言い切って」いる
⑤「3つの政策」「3つの約束」など、要点を絞り、「わかりやすく伝えよう」という工夫が見られる

戦略会議やプロの指摘を受けて「話し方」が変化した

昨年の出馬に際し、PR会社がサポートに入り、毎週「イメージアップ戦略会議」を開いているといったことが、テレビ番組で取り上げられていました。

「岸田BOX」なる意見箱を作ってみせたり、インスタライブをやってみたり、「プロ」がサポートに入り、知恵を授けているようです。

本人も、「仲間たちから(発言について)いろいろと指摘を受け、端的に言い切る形に変えた」とメディアのインタビューで語るなど、努力がうかがえます。

次ページ「聞く人に寄り添う努力」もするが…
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