【産業天気図・ソフト・サービス】クラウド需要本格化はまだ先、先行投資重なり終始「曇り」止まり

予想天気
10年4月~9月 10年10月~11年3月

ソフト・サービス業界は2011年3月まで終始「曇り」にとどまる見通し。クラウド・コンピューティング・サービスが注目材料だが、市場の本格化にはまだ至らない。業界主要企業にとって市場立ち上がりまで辛抱の時期になりそうだ。 

クラウドに対する認識と期待が、10年初頭から一気にひろまった。これがシステム開発事業者にとって、将来的に大きな追い風になることは間違いない。現状、顧客企業のシステムは過去数十年にわたる継ぎ足し開発の結果、構造が蜘蛛の巣のように絡まり合っている。機能の重複や無駄なコストを生んでいる状況だ。クラウドの活用を機に、一気にシステムをシンプル化し、コスト削減にもつなげたいと期待する顧客企業は多い。

ただ顧客側のクラウド化は、現時点ではまだ構想の段階。実際の発注につながるには、しばらく時間がかかりそうだ。企業の設備投資は上向き始めたものの、IT投資は企業にとっては後回しにされがち。通常、景気回復の流れが見えてはじめからIT産業への投資が始まるまでには、半年~1年のタイムラグが生じる。

11年3月期はそのタイムラグまっただ中で、富士通<6702>、NEC<6701>、NTTデータ<9613>といった業界主要企業も業績への顕著な「クラウド効果」は見込めないようだ。各社とも、夏場以降の受注回復に期待をかける、と口を揃える。

将来の需要爆発を見込んで、各社ともクラウド化に向けての先行投資に余念がない。特にデータセンター事業者にとって、クラウドは事業拡大の好機。小型省電力の大容量サーバーを導入し、一方で空調などの省エネ、太陽光パネルなどを取り入れてグリーンエネルギー化を進めたデータセンター投資を急ピッチで進めている。

とはいえ、受注の出足は低調な中、先行投資がかさむ結果、業績は小幅改善にとどまりそうだ。本格的な受注回復、収益改善につながるのは12年3月期になるもようだ。

(小長 洋子=東洋経済オンライン)

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