地政学リスクより、米長期金利上昇圧力が焦点

8月は下振れか底ばい、国内株本格上昇は9月から

週末金曜日(8月8日)の日経平均株価は、終値が1万4778.37円(前日比454.00円安)という大幅な下げで週を終えた。

この週末の動きだけを言えば、下げ過ぎである。週末の東証一部全銘柄の予想PERは13.7倍と、今年4月時の最低値である12.5倍に迫っている。ただし、日米株価ともに投資家心理は傷ついており、下げ過ぎが短期的にさらに下げ過ぎになることはありうる。

下げ過ぎをさらなる下げ過ぎに追い込む要因は、地政学的リスクよりは米長期金利上振れの可能性であろうと考えている。こうした展開が実現すれば、日経平均株価は1万4500円に迫る展開が否定できない。

ただし、そうした行き過ぎた下振れが生じても、短期的には国内株価は反発するだろう。また、懸念が外れ、さらなる大幅な下振れは生じないかもしれない。下振れがあった場合の反発後、あるいは下振れが生じない場合、その両方の場合で、一旦の落ち着きどころは1万5000円近辺であろうと考えている。

中長期的には、内外経済環境の回復に伴い、日経平均は上層基調に復すると見込んでいる。ただしそうした上昇基調が再度明確になるのは、8月ではなく、9月辺りからになるものと予想している。この相場展望の背景を、海外、ついで国内と円相場を中心に見ていこう。

海外要因主導による国内株価下落

今回の株価下落は、国内要因としては切迫したものが見当たらず、主として海外発の要因によるものだ。

海外発の要因としては、イスラエルのガザ地区侵攻、イラクの内戦、ウクライナ問題などが挙げられる。特に足元では、ロシアが欧米の経済制裁に対する対抗措置を打ち出し、農産物の輸入を制限する構えを示したことと、米国がイラク北部の限定的な空爆を決定したことが、悪材料視された。

ロシアや中近東と地理的に近く、経済的な結びつきも相対的に高い欧州地区で、株価の下落が大きくなり、ユーロが対主要通貨で下落していることを踏まえると、こうした地政学的リスクが世界市場に影を落としていることは否めない。しかし、ウクライナ情勢もイラク内戦も、今になって降って湧いた要因ではなく、以前から既に起こっていたことであるため、こうした地政学的リスクを世界市場混乱の主要因と考えるのは、腑に落ちない。

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