アルフィーはいつも群れているわけじゃない 「社外」の人と積極交流、「社内」にフィードバックせよ

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今年、デビュー40周年を迎えるTHE ALFEE。意外かもしれないが、今なお、現役で活躍する3人のメンバーからは、ビジネスパーソンが多くのことを学ぶことができる。ファンサイト「Aの会」代表を務める筆者が、その魅力と教訓を説き明かす。
7月26~27日、「40年目の夏」のイベントがさいたまスーパーアリーナで行われた

ベテランの本気演奏はすごかった!

7月26日、27日の2日間にわたり、さいたまスーパーアリーナにて、アルフィー40周年を記念した夏のイベント「40回目の夏」が開催された。

1974年のデビュー曲「夏しぐれ」や、今年8月26日にアニメ『新ウルトラマン列伝』の主題歌として発売される最新曲「英雄の詩」など、アコースティックからハードロック、バラードまで、新旧幅広いジャンルから選曲。高見沢が宙を舞う13メートルの高さのフライングや、ウルトラマンとの共演、屋内にもかかわらず花火が上がるなど、ド派手な演出で2日間、計3万5000人の観客を魅了した。

両日とも超満員

ただ、やはりどんなにすばらしい演出も、基本としての楽曲のクオリティ、聴きごたえのある演奏テクニックがあってこそ活きるものだろう。アルフィーは安定感のある独特のハーモニーが持ち味。高度な演奏テクニックを要するプログレッシブなアレンジの楽曲も、生でしっかり聴かせてくれた。

そこに40年間、積み重ねてきたバンドの余裕や底力を体感した。「ベテランバンドが本気を見せたらすごい」と、あらためて実感させられるイベントであった。

さて前置きは、ここまで。本論に入ろう。前回は「男の友情」をテーマに、3人の揺るぎない関係性、役割分担から、ビジネスに役立つ教訓を導き出していった。しかし、彼らがいつも群れているのかといえば、大間違いだ。

アルフィーの3人は、自分たちを高めていくために、才能あるアーチストと積極的に交流し、そこから得られる刺激や経験をバンドに持ち込んでいる。これにより、40年という時間の流れがあってもけっしてナツメロにはならず、最先端のサウンドとして、目の前に現れる。

ソロ活動をすることの効能は、新しい要素をバンドに取り込むだけではない。外からみることによって、自分たちの存在を客観視することにもつながる。今回はそんな彼らのソロ活動のエピソードを紹介しながら、ビジネスに役立つ教訓を探っていこう。

彼らはソロ活動を片手間でやっているわけではない。それぞれ本格的なものだ。坂崎はラジオのパーソナリティのほか、得意の写真で個展を開いたり、ほかのミュージシャンとのライブに参加したり、フォーク関連イベントの進行役を務めたりしている。ラジオのDJとして定評があるのはすでに述べたが、ほかの活動でも、アイドルグループからベテランアーティストまで幅広いアーティストと共演し、その独特の柔らかい語り口ですぐに打ち解け、さりげなく相手の魅力を引き出している。また、自分よりも先輩のベテランアーティストからも慕われている。

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