被害額1000万円も「占い詐欺」にはまる人の共通点 スマホの普及でだまされる人が増えている

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小

鑑定というと、1つの質問に対してそれなりに長い回答がありそうなものだが、悪質サービスの場合、短いやり取りを重ねてそのつど課金するのが特徴。また、意味不明の文字や金運が上がりそうな漢字の組み合わせなどをメール(チャット)で送らせるという手口もあるようだ。

1回の送付で 1000円(サイトにより異なる)の課金になるので、そうやって鑑定料を積み上げていく。途中で「離脱」しようとすると、「せっかくの金運がなくなってもいいのですか」などと、鑑定を続けさせようとするという。

利用者が詐欺だと気がつく瞬間

そう聞いても、「そんなことでだまされるのだろうか……」と疑問に思う人も多いだろう。しかし、トライアンフ法律事務所には月に30~50件ほど占い詐欺被害の相談があるという。昔に比べ、パソコンやスマートフォンが普及し、多くの人がインターネットに容易にアクセスできるようになった。

そのため、占いサイトの広告やメールを見る機会が増えており、その結果、悪質なサイトにもつながりやすくなっているのが現状のようだ。
では、相談者はどこで「おかしい」と気づくのだろうか。

「運営者側は、できるだけ何度もやり取りをしてほしいので、多くは鑑定が数カ月に及んでいます。しかし、長引けば長引くほど同じようなことばかり言われるようになり、相談者は徐々に疑問を持ち始めるようです。そこでようやく口コミサイトを調べたりして、詐欺だと気づくケースが多いようです」

ではどんな人がメール鑑定にだまされているのか。実は、相談者の多くは高齢者だという。それも、一人暮らしで趣味もない、話し相手がいない、頼る人もいない、という人が多いそうだ。

「入り口は、親身に話を聞いてくれるというケースが多いようです。そこからつい深入りしてしまう」(鎌田弁護士)。こうした人たちにとっては、詐欺師が数少ないコミュニケーションを日々とれる相手になってしまっているのかもしれない。

次ページ家族が「おかしい」と気がつく場合も
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT