IBM、アップル2度目は「大人の関係」

企業へのモバイル機器販売で提携した事情

30年前、マッキントッシュを発表するスティーブ・ジョブズ氏。この時は、「ビッグブラザー」こと、IBM支配の打破をかかげていたが、時代は大きく変わった(写真:AP/アフロ)

7月15日、アップルとIBMは、企業向けのモバイル関連ビジネスについて、独占的なパートナーシップを締結したと発表した。

この提携の狙いは、非常にシンプルだ。IBMとアップルが提携することで、IBM側は自社ソリューションと組み合わせて販売しやすいモバイル機器を手に入れることができるし、アップル側はIBMのソリューション販売の経路を使って、企業ユーザーにiOS機器を拡販することができる。

こうした組み合わせ販売はすでに行われているが、両社の業務提携をアピールすることにより、導入企業からの信頼が格段に高まる。今後、より効率的なビジネス展開が可能になるといえるだろう。

現在のIBMのビジネスの主軸は、クラウドを活用した企業向けソリューションの提供である。業務システムの構築やその基盤提供が本業であり、「サービスとソリューションの会社」だ。

クライアント向けハードを持たないIBM

同社は2005年にパソコン事業をレノボに売却して以降、いわゆるクライアント向けハードウエアの事業を手がけていない。そこで、色々なパートナーの機器に、IBMが提供する管理用ソリューションを組み込んで販売していた。

当然、その中には、iPhoneやiPadなどのアップル製品も大量に含まれている。販売シェアが大きいのだから当然である。そのアップルと密な関係ができれば、今後、iOS機器向けの管理用ソリューションに必要な技術開発を行う上でもプラスだ。

アップル側も、iPhone、iPadを拡販していく上で、特に企業向けのニーズを重視してきた経緯がある。特にiPadについては、パソコンよりも安価かつ管理が容易である上に、操作もタッチで行えてシンプル。従来、業務向けの専用端末がカバーしてきてたPOSレジスターや在庫管理・販売管理用端末の分野にも食いこんでいる。

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