「低視聴率で終わる朝ドラ」の意外すぎる共通点 なぜか「時代設定80年代以降の作品」は不調ぎみ

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法則3:主人公は死なない!

これも調べてみたところ、放送中の『おかえりモネ』を除く全103作中、劇中で主人公の死が明確に描かれたのは……第4作『うず潮』(1964年)、第60作『すずらん』(1999年)、第85作『カーネーション』(2011年)、第91作『マッサン』(2014年)の、わずか4作しかありませんでした。

もちろん、上記4作も不遇の死というものでは勿論なく、大往生と言っていいものばかり。中には、『あさが来た』のように、年老いたヒロイン(波瑠)の亡き夫(玉木宏)が逢いに現れるというファンタジックな演出がされているものもあります。

朝ドラといえば、文字通り“朝”放送(再放送も昼)されるものですから、後味が悪いものは作りにくく、基本的にハッピーエンドを念頭に置くのは当然といえば当然。なので、ハリウッド製のアクション映画のヒーローばりに、主人公が劇中で死を迎えることもほぼないんですね。なので、この法則も正しいです。

余談ですが、ほとんどが若い女性の半生記という朝ドラで、男性が主人公となった作品は幾つあるかご存知ですか?

正解は10作。意外に多いですよね。実は、第1作の『娘と私』(1961年)からして、男性が主人公(演じたのは、北沢彪)。その他は、第3作『あかつき』(1963年/主演・佐分利信)、第5作『たまゆら』(1965年/笠智衆)、第7作『旅路』(1967年/横内正)、第32作『ロマンス』(1984年/榎木孝明)、第33作『心はいつもラムネ色』(1984年/新藤栄作)、第35作『いちばん太鼓』(1985年/岡野進一郎)、第44作『凛凛と』(1990年/田中実)、第53作『走らんか!』(1995年/三国一夫)、前述の『マッサン』(玉山鉄二)、そして記憶に新しい第102作『エール』(2020年/窪田正孝)です。

こう見ると、どうやら1980年代中頃、朝ドラに「男性主人公ブーム」が訪れたようですが、90年以降は30年間で4作と圧倒的に女性優位。窪田正孝が制作発表会見で「僕は女性に間違えられているんじゃないかと思いました」と冗談まじりに発言するほどですからね。

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