今の若者は、野球監督よりコーチを目指す?

川崎憲次郎氏に聞く「若者論」(後編)

 「やる気がない」「消費しない」などと、上の世代からは散々な言われようの20代。平成不況の最中に生まれ育ち、何かと”悟って”しまった彼ら「さとり世代」の知られざる本音や実態とは? 元プロ野球選手の川崎憲次郎さん(現在はロッテのコーチ)と、若者研究の第一人者である原田曜平さんが「さとり世代」について語ります。
 

※対談前編:「プロ野球名物、乱闘シーンが消えたワケ」はこちら

社長より中間管理職がカッコいい?

原田:ある会社が毎年やっている新入社員への意識調査なのですが、「社長にはなりたくない」「管理職になりたい」っていう数値が強く出ているんです。川崎さんや僕のもうちょっと下の世代までは、不安定な景気が影響してか、「専門職になりたい」という数値がずっと上位にありました。要は会社が潰れても、専門職だったらほかで食えるから、と思われていたのだと思います。

それが、今の20代前後のゆとり世代から、専門職志向は弱くなり、社長にもなりたくない、代わりに「管理職になりたい」、つまり課長、部長になりたいと。

川崎:へえ。

原田:プロ野球の世界でいうと何でしょうね。監督にはなりたくなくて、コーチになりたい。現場の選手とそこそこ仲良くして、監督ともうまく人間関係を築いて……みたいな。昔だと中間管理職っていちばんつらいイメージがあったのが、今の子たちはむしろ……。

川崎:そこを望んでいると。

原田:そこで頑張っている人のほうが、クールだと思っているというか。

川崎:中間管理職の難しさをわかってないよね。

原田:僕も課長職なので、そう思います(笑)。あと、今の若い人たちはジェネラリスト(総合職)志向でもあるんですよね。プロ野球に当てはめてみると、左バッターのときだけ出てくる左ピッチャーっていたじゃないですか。今もいるかもしれませんけど、あれって超専門職ですよね。ほかにも代走だけ出る選手とか。一般の若者とプロ野球はちょっと違うかもしれないんですけど、無理矢理当てはめてみると。で、今の若者は多分、そういうのが嫌なんですよ。

川崎:スペシャリストは嫌だと。

原田:で、先発、抑えっていうのも嫌なんですよ。中継ぎ志向になってきているというか。

川崎:あんまり責任が重いところは嫌だと。

原田:そうです。社長も監督も嫌。

川崎:比較的楽に……って、中継ぎも実際は楽ではないけど、楽だと思われるポジションなんでしょうね。

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