仕事のできない人はメールの文面がイケてない 1文1文はシンプルに見やすさを意識してみよう

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接続助詞の「が」には、おもに「2つ」の用法があります。

① 単純接続……文と文を単純につなげる

② 逆接……反対のことをつなげる。接続詞の「しかし」 と同じ用法

注意が必要なのは、単純接続の「が」です。単純接続の「が」は、前後のつながりのない文でもくっつけてしまうので、多用すると1文が長くなったり、論理が破綻しかねません。

次の例を見てください。

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【わかりにくい例】
1月12日(火)に開催予定の新商品の販促会議ですが、予想以上にリモートでの参加者が増えそうとのことですが、事前に配布するサンプル数を事前に把握したいと思っていますが、いつ頃までに必要数をお知らせいただけますか。
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意味を推測してもらいながら読んでもらおう

この例文では、

「事前に配布するサンプルの、必要な数がわかるのはいつか」

という骨格に、補足情報をすべて「が」で接続した結果、文章全体がわかりにくくなっています。

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「が」で文をつなぐと、読み手は「単純接続なのか、逆接なのか」を推測しながら読まなくてはなりません。「意味を推測しながら読ませる」というワンステップが、読み間違いや勘違いの原因となります。

読み間違いをなくすためには、単純接続の「が」を使わないこと。「が」は、「逆接に限って使用する」ようにしましょう。

以下の「改善例4」は、単純接続の「が」を省いた例です。

単純接続の「が」を省いた結果、1文が短くなり(ワンセンテンス・ワンメッセージになり)、「何について話しているのか」「なぜその情報がほしいのか」が一目瞭然です。

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【改善例4】
1月12日(火)に開催予定の新商品の販促会議は、予想以上にリモートでの参加者が増えそうだと聞きました。
配布するサンプル数を事前に把握したいと思っています。いつ頃までに必要数をお知らせいただけますか。
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文章のプロの多くが指摘する3つのポイント(①ワンセンテンス・ワンメッセージ ②意味の切れ目ごとに改行や空白行を入れる ③文章をやたらと「が」でつながない)を意識するだけで、

「必要な情報が的確に伝わる」

「書くスピードが上がる」

ようになります。

これらのポイントを取り入れて、チャットやメールでのコミュニケーション、ひいてはリモートワークやオンライン会議を、より快適・円滑にしていきましょう。

藤吉 豊 文道代表取締役

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ふじよし ゆたか / Yutaka Fujiyoshi

有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、グラビアアイドルなど、インタビュー実績は2000人以上。2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。大学生や社会人に対して、執筆指導なども行なっている。(※「吉」の字は正しくはツチヨシ)

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