企業価値の高い会社にオーナー社長が多いワケ 経営判断のスピードが勝敗を分ける
株主総会を間近に控え、どの社長も株主からの評価が気になる時期だろう。企業業績が振るわず、株価がどんどん下がっていると、「いったいどうなっているんだ!」と総会でもヤジが飛びそうだ。
上場企業の7割が3月期決算で、株主総会はこの6月下旬がピーク。投資家に配慮して、開催日は年々分散の傾向にあり、機関投資家も個人投資家も、持ち株の総会に何社も出席することがしやすくなってきた。
総会で議長を務めるのは社長や会長などのCEO(最高経営責任者)。自社の経営ビジョンを明確に語り、株主だけでなく従業員や取引先を含めたステイクホルダーに対して、きちんと説得ができる「コミュニケーション力」が求められる。
世界の上場企業の時価総額ランキングを見ると、日本企業では首位のトヨタ自動車が23位(5月末)。米アップルや韓国サムスンに水をあけられ、ベスト100でもトヨタ以外の日本企業はいない。時価総額がすべてではないが、企業価値を高めないと国内外の投資家の資金も流出してしまうだろう。
創業オーナー社長の”通信簿”がよい
優れた社長の資質を判定する、客観的な基準はあるだろうか。なかなか難しいが、企業価値を高めること、上場企業であれば株価や時価総額を増大させていることは、株主から見て非常に重要なポイントだ。
東洋経済で現役トップについて調査したところ、就任中にもっとも時価総額を拡大させたのは、ソフトバンクの孫正義社長だった(1985年以降、同じ肩書きであることを条件にした場合)。2位はニトリホールディングスの似鳥昭雄社長、3位は日本電産の永守重信社長で、いずれも上場前から社長を続けていて、時価総額は30倍以上に膨らんでいる。上位20位くらいまでの社長を見渡しても、トップ3人と同様、創業期からのオーナー社長が多かった。
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