ビデオ会議を「プロっぽく」変えるアプリの正体 2021年の「ビジネススキル」に欠かせない事とは

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すでに99万回近く再生されているこのビデオを見れば、ビデオ会議が当たり前となったリモートワークと、その問題点、解決したい問題、そしてmmhmmで何ができるかを、一発で理解することができた。

だからこそmmhmmは短時間で注目を集め、行列ができるほどのベータテスターに恵まれ、発表まで製品を洗練させてきた。

そんなリービン氏は、コロナ禍でビデオ会議が当たり前となったことで、「Professinal Video Presence」(PVP)というカテゴリーが誕生したと語る。

ビデオ会議がこれだけ長時間生活の中に取り入れられる中で、画面の中における見え方、見られ方は、ビジネススキルの一部として成立したというのだ。

「PVPはこれまでも、スキルとして存在してきましたが、これは主に、カメラの前でテレビに登場するタレントやアナウンサーなどの出演者のスキルでした。カメラに映るパフォーマンスを最大化する仕事です。

しかし、テレビや映画のビデオは、一人で作られているわけではありません。カメラや字幕、音、効果などは専属のスタッフがついており、こうして商業映像が作られるのです。

もちろん、現在ビデオ会議に登場するビジネスパーソンや教師、医者などのパフォーマンスが悪いわけではありません。しかし、情報や感情、空気感などさらに膨大な情報を効果的に伝えることができているかと言われると、疑問です」(リービン氏)

ほぼ全員がカメラの前に座る日常においては、パフォーマンスだけでなく、資料の表示や画面の切り替えなど、すべてを個人が行わなければならない。そして、1日に5時間も6時間も、ビデオ会議に参加したり、あるいはホストするという未経験の日常が急に訪れ、われわれはあまりに不準備なままこれまで過ごしてきたのである。

M1搭載Macとともに登場

mmhmmを紹介するフィル・リービン氏は、2020年11月10日(アメリカ時間)に行われたアップルの発表会にも登場した。自社設計のチップ「M1」を搭載するコンピューター第1弾を発表したアップルは、その性能を生かすアプリとしてmmhmmを選び、開発者の声としてリービン氏を紹介した。

すでにレビュー(新MacBook Proが「夢の1台」と言い切れるワケ)をお届けしている通り、M1搭載Macは、控えめに言っても、これまでのコンピューターの常識をひっくり返す存在だ。

本当に20時間持続するバッテリーと、最上位モデルのノートパソコンに匹敵する処理性能を兼ね備え、写真もビデオも、スタジオにいるように編集するというコンセプトを、10万円前後のコンピュータで本当に実現してしまったのだ。

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