ビデオ会議を「プロっぽく」変えるアプリの正体 2021年の「ビジネススキル」に欠かせない事とは

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「mmhmm」で作成した背景をZoomで使用(筆者撮影)

「名前からもわかる通り、冗談みたいな話から始まった」と語るのは、創業者のフィル・リービン氏。これからの時代、誰かとつながったり、信頼関係を構築していくには、ビデオにおけるパフォーマンスが不可欠になる。そんな未来があっという間に訪れるにもかかわらず、最適なツールが存在していなかったことが、アプリ開発のきっかけとなった。

リービン氏は、日本でも人気のメモアプリ「Evernote」(エバーノート)を立ち上げたことで知られる。そんな同氏は、「退屈で面倒なビデオ会議ばかりの生活をなんとかしたかった」と再びスタートアップしてアプリ開発に取り組んだ動機を語った。

「自宅の書斎の背景に、キャンプで使う大きな緑のタオルをかけて、その前に座り、映像や写真などを配置してプロトタイプを作り始めました。ウェブカムで取り込んだ自分の映像に、スライドやビデオを合成できるようにしたほか、色々な部屋の背景画像を用意し、動画まで背景に配置できるよう開発を進めてきた」

好きな場所に好きなサイズで「自分」を配置

実際に筆者も、大学の講義やビデオ会議でベータテスト中だったmmhmmを使ってきた。これによって、ビデオ会議やオンライン授業が一言でいえば「自由自在」なものへと変化した。まるでテレビ番組をディレクションしながら、同時に出演しているかのようなのだ。

画面の好きな場所に、好きなサイズで自分を配置し、背景にスライドを大きく写したり、ビデオを再生しながら解説でき、その映像をZoomやGoogle Meetなど、好きなビデオ会議システムに流し込める。見ている側も、画面共有のON・OFFで、手元の表示が行ったり来たりせず、煩わされることもない。

極めてストレスが少なく、より効率的かつ効果的なビデオ会議での体験を手に入れることができるのだ。

Evernoteもそうであったが、フィル・リービン氏は自分の不便ややりたいことを解決するアプリを着想し、マーケットにフィットさせる、そのスピードと精度はシリコンバレーでも指おりの存在だ。そのことは、リービン氏がmmhmmを世にお披露目した際に公開したYouTube動画にも現れている。

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