平井ソニーが挑む「最後の構造改革」の本気度 2015年度営業利益4000億円は達成できるか
5月22日、ソニーの経営方針説明会が開かれた。その骨子は2015年度に4000億円規模の連結営業利益を目指すというもの。平井一夫社長は「やり切る」という言葉に力を込めた。
今回、注目されていたのはエレクトロニクス事業の改革だ。これについて平井社長は「高収益企業へと変容し持続的な成長を遂げるために、2014年度中にエレクトロニクス事業の構造改革をやり切る、構造改革は2015年度以降に先送りしない」と説明した。
コスト削減目標は劇的なものだ。テレビ事業の子会社化やパソコン事業売却だけでなく、エレクトロニクス販売にかかる費用を2015年度までに約20%削減(2013年度比)。本社間接部門も約30%の費用削減を見込むなど、収支改善に向けて大ナタを振るう。ソニーは一連の構造改革で年間1000億円以上のコストを削減できると見積もる。
一方で、ゲーム&ネットワークサービス、モバイル、イメージング関連という三本柱の強化、そして近年ソニーグループを支えてきた映画・音楽などコンテンツ事業と金融事業などにも言及した。
ゲーム事業は大きく回復
今まさにエコシステムが充実し利益を生み出しているPlayStation 3はもちろん、700万台の実売を記録しているPlayStation 4など、ゲーム事業が今後大きく回復していくことは多くの人が予想するところだろう。水物のコンテンツ事業も近年安定しており、稼ぎ頭とも言える金融部門も順調だ。
それでもソニーへの目が厳しくなるのは、平井氏が社長に就任して以来、エレクトロニクス事業で下方修正が続き、赤字解消もかけ声ばかりで達成できてこなかったからだ。テレビ事業の分社化とパソコン事業売却は、構造改革への取り組みが甘かったからだと切り捨てられても、平井社長には返す言葉はないはずだ。
何しろ2014年3月期の連結最終決算は1283億円の赤字である。来年の3月期も500億円の最終赤字となる見通し。それ故に”今度こそ”と、大幅なコスト削減を具体的に語ったのだろう。
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