音楽業界の敵か味方か、スポティファイ上陸へ 世界を席巻する音楽サービスが日本でも開始
スウェーデン生まれの音楽配信大手、スポティファイが日本に上陸する。スポティファイ日本法人のハネス・グレー代表は「現段階では詳細を話せない」と言うが、複数の大手音楽会社の幹部によれば、「夏前に開始する」と同社から伝えられており、6月にもサービスを開始する。
2006年に設立されたスポティファイは、欧米を中心に55カ国で音楽の聴き放題サービスを展開し、会員は2400万人。月9.99ドルの有料サービス会員は600万人超で、広告付きの無料サービスが拡大の原動力だ。
音楽の聴き放題サービスの拡大は世界的なトレンドだ。米国ではパンドラ・メディアなどが台頭。ダウンロード(DL)販売で圧倒的なシェアを持つアップルも昨年、「iTunes Radio」で参入。追撃する格好で、サムスンも「Milk Music」を3月から開始している。
日本でも昨年、主要な音楽会社が出資するレコチョクや、エイベックスグループとソフトバンクの合弁会社「UULA」などが定額配信サービスを開始。ソニーの「ミュージック・アンリミテッド(以下、MU)」は昨年の3月に値下げした。
日本の音楽市場は縮小
スポティファイが日本法人を設立したのは12年10月。サービスを開始するのは時間の問題といわれてきたため、国内勢の相次ぐ事業展開には、先手を打つ狙いもあった。
だが、日本の音楽市場は厳しい。13年のCDなどの生産額は2704億円と、ピークだった1998年から5割以上減少。「着うた」など従来型携帯電話向けDL販売も、08年の798億円をピークに13年は150億円まで落ち込んだ。スマートフォンではユーチューブなど無料動画サイトで簡単に音楽が聴けるため、DL販売そのものが音楽会社の期待ほど伸びていない。13年のPC・スマホ向け定額配信の売上高は前年比5倍の27億円に拡大したものの、音楽市場全体に占める割合は1%未満だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら