第99代首相「菅義偉」を読み解く本人の言葉18選 素顔、原点、思想、信念、信条をどう語ってきたか

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⑧ 「人生でいちばん苦しかったことは」という質問に(14年2月取材)

菅:秘書をやっていて、次に市議という話で、「菅君、やれ」と言う人が周りでいたけど、農家の長男だったから、秋田との決別、秋田を断ち切るのが、なかなかできなかった。田舎に帰る、帰らないという決断のとき、ものすごく悩んだ。

⑨ 「『政治の師』の梶山静六元官房長官の影響は」という質問に(14年2月取材)

菅:自分の思いをきちんと持たなければと教わった。派閥はだめ、と。官僚の使い方とマスコミとの対応も。「官僚は自分たちの考えがあって、政治家に説明するとき、必ずそれを入れてくる。おまえなんか、すぐにだまされる。それを見抜く力を持たなければ」ときつく言われた。マスコミは「取材するときに最初から1つの方向を決めてくるから気をつけろ。だけど、政治家として自分がやりたいことは、遠慮しないできちっと言え」と。

消極的な人、「余計なことを」という官僚は評価しない

⑩「官僚機構のコントロールの要諦は」という質問に(15年10月、12月取材)

菅:私たちの政権は、改革意欲を持って何をやるかを政治主導で明快に打ち出してやっている。だが、今までやってきた方向がいいと考えがちな人はいっぱいいる。私たちがやろうとしていることに反対したり、違う動きをしたりしたら、私はいっさい許さない。そこは明快です。メリハリをちゃんとつけている。政権として打ち出した方向に内閣一体で取り組むことに消極的な人、「余計なことを」と言う官僚は評価しない。説得してきちんとやってくれる官僚、頑張った官僚は評価する。それを明確にする。

⑪「安倍首相をどう評価しているか」という質問に(13年9月取材)

菅:強硬派だとかいろいろ言われているけど、1つの理念を掲げ、そこに至る道は非常に柔軟に行く政治家と思う。最初から最後まで強硬一辺倒の安倍晋三さんって政治家は見たことがない。それから、しっかりした国家観、理念を持っている。同時に、あまり知られていないが、ものすごく改革意欲が強い。ここが好きなところですね。

⑫「自民党の派閥について、どう思うか」という質問に(14年2月取材)

菅:政治は派閥でやるべきではない。それはずっと私の考え方です。派閥がだめだと思ったのは、会長が右だったら、皆、右に行く。おかしいと思った。政治家は国民の負託を受けているから、総裁を決めるとき、誰にしたいと思うかは、自分の意思で決めるべき。

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