横浜米軍跡地「新交通」は相鉄の弱点を埋めるか 旧上瀬谷通信施設跡、テーマパーク構想も浮上

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遠路行軍の収穫としては、保土ヶ谷バイパスに到達した時点で、この地域が東名高速横浜インターに近く、旧上瀬谷通信施設の北側の八王子街道が片側1車線で渋滞していることがわかった。超大型テーマパークを作ったとして、北側からクルマで来訪する人々の動線が気になる。開発に合わせて周辺道路の整備が必要だ。

旧上瀬谷通信施設地区の位置(赤枠)。瀬谷駅を起点とすると南側からの上瀬谷ラインは妥当だが、東名横浜町田インター、国道16号パイバス、東急田園都市線方面からのアクセスも考慮する必要がある(画像:地理院地図を筆者加工)

また、開業後の第2段階として、上瀬谷ラインの北部延伸も検討に値する。環状4号線に沿う形であればJR横浜線の十日市場駅へ。鉄道空白地帯を埋める形になる。さらにそのまま環状4号線を進み、東急田園都市線青葉台まで来てくれると、田園都市線園線からのテーマパーク集客に弾みがつきそうだ。

上瀬谷ラインの開業予定は2026年度。その完成時期を見込んで、横浜市と国は2027年の国際園芸博覧会の招致活動を行っている。超大型テーマパークはその次のプロジェクトだ。ディズニーワールド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの成功を筆頭に、ムーミンバレーパーク、スヌーピーミュージアムなど海外IPコンテンツの観光施設が作られている。直近ではとしまえん跡地に『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 -メイキング・オブ ハリー・ポッター』が発表されたばかりだ。

日本コンテンツのテーマパークに期待

さて、これらのライバルに並ぶテーマパークは何になるか。

そろそろサンリオピューロランド、藤子・F・不二雄ミュージアムのような、日本発祥のキャラクターコンテンツがほしいところだ。任天堂スーパーマリオはUSJで展開しているけれど、もっと大規模に横浜で展開できないか。エンジン付きのマリオカートでレースをしてみたい。あるいはガンダムをはじめ、サンライズ、バンダイ系のロボットはどうか。10月3日に東映太秦映画村でエヴァンゲリオン京都基地もオープンする。

相鉄が関わるとしたら、かつて相鉄がコラボレーションした「ウルトラマンシリーズ」がある。現在も新作が制作されているし、海外権利訴訟が起きたことからも、世界的な人気を感じさせた。ウルトラマン関連グッズはバンダイが販売している。海外の人気コンテンツは手っ取り早く成功しそうだけど、日本の人気コンテンツをまとめたテーマパークの実現に期待したい。

杉山 淳一 フリーライター

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すぎやま じゅんいち / Junichi Sugiyama

東京都生まれ。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社でパソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当したのち、1996年にフリーライターとなる。IT、PCゲーム、Eスポーツ、フリーウェア、ゲームアプリなどの分野を渡り歩き、現在は鉄道分野を主に執筆。鉄道趣味歴40年超。全国の鉄道路線完乗を目指してコツコツと旅を重ねている。鉄旅オブザイヤー選考委員。基本的に、列車に乗ってぼーっとしているオッサンでございます。

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