キリン・サントリー「強者連合」決裂の余波

キリン・サントリー「強者連合」決裂の余波

壁は予想以上に厚かった。交渉開始から約8カ月。キリンホールディングスとサントリーホールディングスが8日、統合交渉の終了をそれぞれ発表した。

「理由は、統合比率」。同日夕方に東京都内で開かれた会見で、サントリーの佐治信忠社長は開口一番あっさりと話した。「当初から(統合比率は)合意できていると思ったが、キリンの考え方が変わってきた」。

さかのぼること4時間前。先に会見を開いたキリンの加藤壹康社長は重々しい雰囲気の中、「統合会社は上場会社として独立性や透明性を担保し、顧客、株主、従業員から賛同してもらえないと考えた」と説明。「交渉を進めるうちに、当初から異なる要望や見解が出てきた」。

互いの主張の「ズレ」こそが、破談理由を物語る。

最大のネックはサントリー株式の約9割を握る創業家の存在だ。当初から1対1での統合を主張していたとするサントリーに対して、昨年11月にキリンが提示した比率は1対0・5。その後、差は0・8程度まで詰まったとされるが、それでも合意には至らず、8日午前のトップ会談は物別れに終わった。

統合が実現していれば、売上高4兆円に迫る国内最大級の食品メーカーが誕生するはずだった。両社が描いた野望は、国内市場が縮み続ける中で規模拡大をテコに海外進出を加速させること。日本を代表する食品メーカー同士の「強者連合」の誕生は、周囲の期待を一身に集めた。

ところが目的こそ一致したものの、経営のあり方で歩み寄れなかった。

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