羽田から昼間帯の米国便が飛ばない事情

10月就航のユナイテッドも深夜便

しかし、混雑する羽田の昼間帯については枠が限られる。どの地点に何便飛ばすかは、相手国との合意なしには決まらない。これが航空交渉である。

2010年5月、今春の羽田国際線の発着枠拡大が決まったことを受けて、国土交通省は乗り入れ国との航空交渉を開始。今年3月末までに10カ国と合意して、31便の就航が決まった。米国に対しては、「最優先してきたが、調整は続いており、1日9便の範囲で合意したい」と、国交省の小林太郎・航空交渉室長は話す。

「課題は米国側にある」。米国の航空業界関係者は、そうささやく。米国から日本に乗り入れているのはデルタ、ユナイテッド、アメリカン、ハワイアン航空の4社。「それぞれの思惑が交錯しているために、米国当局もまとめきれていないのだろう」(同)。

デルタが成田にこだわる理由

象徴的なのがデルタだ。同社は羽田の昼間帯の発着枠を、9枠にとどまらない範囲で大幅に拡大したうえで、成田からの移管を想定して1社で20枠以上の獲得を要望しているという。

だが、今回の割り当てについては上限9枠で議論しており、「デルタの主張は現実的ではない」(複数の日米関係者)。このことが米国側の調整が難航している要因の一つ、と見る向きが多い。

デルタの主張には思惑がある。同社は成田に25枠という大きな発着枠を持ち、約800人の従業員やホテル、機内食工場などを抱えている。加えて、日米間だけでなく、中国やフィリピン、タイなど、日本と米国以外の第三国に飛べる「以遠権」を持つ。

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