ANA、訪日客獲得へ新会社がテイクオフ H.I.Sと国内旅行商品の合弁設立へ

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新会社設立会見の様子。左から順に、H.I.Sの平林社長、新会社の深木社長、廣岡副社長、ANAセールスの白水社長

昨年(2013年)、日本を訪れた外国人旅行客は初めて年間1000万人の大台を突破した。日本政府は、東京五輪が開催される2020年に訪日客を2000万人へと倍増させる目標を掲げている。この関連需要を狙って国内エアライン2強の一角、全日本空輸(ANA)グループが本格的な離陸(テイクオフ)態勢に入った。

ANAグループの旅行会社、ANAセールスとエイチ・アイ・エス(H.I.S)は9月1日、訪日外国人旅行者向けに日本国内の旅行商品を企画・造成・手配する新会社を設立すると発表した。両社は合弁で11月に新会社を設立、2015年春に営業を始める。

新会社の資本金は6億円。H.I.Sが51%、残る49%をANAセールスが出資する。社長にはH.I.Sで本社新規事業開発室長を務める深木重和氏、副社長にはANAセールスの経営企画部担当部長の廣岡伸雄氏がそれぞれ就任する予定だ。

社名や人員構成などの具体的な詳細については今後詰めるが、「2020年に売上高100億円、取扱人数で20万人を目指す。特に販売地域を限っているわけではないが、アジアからの需要は有望と見ている」(深木氏)。

異例の共同出資の狙い

ANAはH.I.Sに限らず、さまざまな旅行会社に航空券を卸売りしている。H.I.SもANAのライバルである日本航空(JAL)をはじめ、国内のさまざまな航空会社との取引があるはずだ。こうした中で、航空会社と旅行会社が単なる提携にとどまらず、共同出資の新会社を設けるのは異例ともいえる。

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