過熱するスマートハウス開発の意外な盲点 従来のスマートハウスは非常時に役立たなかった!?
東日本大震災以降、住宅大手各社が開発を加速しているスマートハウス。太陽光発電(PV)にHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)や蓄電池などを組み合わせることで、平常時の省エネはもちろん、非常時の電力確保にも役立つという点が特徴だ。
ただし、従来のスマートハウスには思わぬ難点があった。これを克服した次世代のスマートハウスを5月1日に発売したのが、「セキスイハイム」ブランドで戸建て住宅を手掛ける積水化学工業である。今回の新商品「グランツーユー V to Heim」は電気自動車(EV)とPVとの連携システムを標準搭載しており、エネルギーの自給自足を目指すと同時に、大規模停電時の安心感を大幅に向上させたという。
PVとEVの連携に難点
EVに貯めた電気を家庭に給電して利用するシステム「Vehicle to Home」(V2H)については、2012年ごろから自動車会社も含めて開発競争が激しさを増している。EV搭載のバッテリーは住宅用蓄電池に対して数倍の蓄電容量を持つうえ、コスト面でも比較的安価であり、V2Hはスマートハウスの進化した一形態として期待が大きい。
ところが、積水化学によると、従来のV2Hでは、EVの大容量蓄電機能を十分に生かし切れない難点があった。車から家へ給電する際には、電力会社の系統電力網への影響を回避するため、商用電力を遮断し、瞬時停電が発生する。その結果、家電製品のタイマーがリセットされたり、作動中の家電が止まったりするなどの不都合があった。
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