韓国は三等後進国?事故直後のソウルから

隣国の惨事のために、できること

グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。そんな中、人気コラム「グローバルエリートは見た!」の筆者で、『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』の著者であるムーギー・キム氏が後継者を募集。“芸風が似ている”ということで後継コラムニストとして指名されたブラザー・キム氏が、香港を拠点に世界を飛び回りながら、一流エリートと二流エリートの違いをつづっていく。
韓国フェリー沈没事故の現場(写真:Yonhap/アフロ)

「韓国はサムスンとかの躍進で先進国家になったと言う人もいるが、まだまだ三等後進国なんだ!!」

「俺たちが今、立っているこのアパート、1995年に500人が死亡する事故を起こした高級百貨店の跡地なんだ。韓国は過去の人災から学んでいない……」

これは私の韓国の大手外資系金融機関に勤める友人が、夕食をともにする前に交差点で私につぶやいた言葉である。私は今、ソウルに来てこれを書いているわけだが、ご存じのように、韓国では修学旅行生が多く乗った船の沈没事故で、国中が悲しみに沈んでいる。こちらの報道をいくつか訳してコラムで紹介しようと思ったが、驚くほどリアルタイムで韓国の報道が日本のネットニュースで翻訳されて紹介されているので、私が翻訳して紹介するまでもないだろう。

本コラムを書く前にまず、行方不明か、亡くなられた300人を超える方々、および遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げたい。いや、お悔やみの言葉など無力すぎてかける言葉がないほど、若くして命を落とした子供たちや、遺族の気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いである。

修学旅行というと、学校生活でいちばん楽しい思い出になる数日間だったはずだ。その楽しい思い出になるはずの旅行で壮絶な最期を迎えた被災者の方々に、本コラムを書く前に心からの黙禱を捧げたい。

混乱する捜索現場とメディア報道

ソウルの街に出てみると、一見、日頃と変わらない日常がある。しかし、韓国でのテレビや新聞を見ていると、連日この沈没事故に関する報道一色に染まっている。芸能イベントやスポーツイベントは取り消され、国中に自粛ムードが広がっており、その雰囲気はまさに震災直後の日本のムードと同様である。メディアを見ていると国中が喪に服しており、救出作業の遅れや政府発表の混乱に、国民の怒りが噴出している。

日本でも報道されているとおり、捜索現場は大混乱を極めている。驚いたことに現場に査察に訪れた政府関係者が、こともあろうか記念写真を撮ろうとして遺族の怒りをかって更迭。ほかにも行方不明者の家族が集まる現場で腰を下ろしてカップラーメンをすすったり、有力議員の息子がフェイスブックで遺族の方々を批判するような無神経な発言をしたり、現場では悪質な人間による詐欺メールや偽メールが出回り、虚偽証言をした女性(虚言癖で有名な人物)が逮捕されたり、この惨事のさなかにこのような言動が飛び交うこと自体、情けないかぎりである。

大多数の国民が悲しみに沈み、50万箱に上る支援物資が韓国全土から現場に届けられているという。無数のボランティアが寄付金を集め、被災者および遺族のために祈っている中、ごく一部とはいえなぜこのような人が出現するのか、どこの国にも愚かな人がいるものであるが、きわめて残念だ。しかしながら、朴政権が民衆の怒りの矛先を一部に向けるため、スケープゴート的な厳罰を一部に下して安易に収束を図らないよう願いたいものである。

たとえば三等航海士の25歳が操舵士に5度曲がるように指示したところ、停電の可能性も含めた機械の故障で異常に行き先が曲がったという。これが事実であれば三等航海士の若い女性が、下に述べる本来全責任を負うべき船長と同様に罪に問われるべきか、はなはだ疑問ではある。

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