支援なく悲鳴「海外で働く日本人」の切実な肉声 世界94カ国、2155人が語った「コロナ禍」

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集計データの全体を通して収入への影響はあらゆる職種に及んでいる。とくに、自営業やフリーランスなど組織に属していない働き方をしている人の46%が「5割以上」収入が減っている状況もわかった。

• シンガポールではシンガポール人にしか手当を出していない。私は永住権を持っているのに手当がもらえない。結局、日本でもシンガポールでももらえない(シンガポール、50代女性、フリーランス、観光、減収5割以上)
• 今年中に生活保護を受けることは必至(ドイツ、50代女性、フリーランス、サービス、減収5割以上)
• 現在は定期的に難民支援団体から、ロヒンギャ難民用の分で、かつそれに余剰があればいただいている状態。難民以下。それでも領事館からはなんの物質サポートなし(マレーシア、30代女性、自営業、メーカー、減収5割以上)
• 観光で生きている街なので、主人は陶芸家でいて観光客のお土産となるアートクラフトを作ってそれが収入のメイン。私もガイドをバイト的にして、なんとかやっていくくらいの収入でしたが、コロナウイルスの影響で観光はまったく今後も見込みがありません。観光客がこない=収入ゼロになりますので、本当に厳しいです(スペイン、40代女性、フリーランス、観光、減収5割以上)
• プロのダンサーとして仕事をしていましたが、新型コロナの影響で、突然解雇され、再雇用の約束はありません(ニューヨーク、30代女性、フリーランス、エンターテインメント、減収5割以上)

外国人への失業補償、アジアで「なし」が6割

フリーランスや自営業者は、観光業・エンターテインメントの仕事に従事している人が多く、コロナによって仕事がなくなる、解雇されるといった厳しい状況に置かれている。欧米圏では地元政府による補償が出ているところもあるそうだが、アジア圏ではそういった例がほとんどなく、完全に収入が途絶えてしまい、生活が逼迫している実態がうかがえる。

全体でみると、アジアで暮らす6割の人々が「補償なし」と回答している。寄せられるコメントも悲痛なものが多い。

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