法改正で復興事業の用地取得をさらに早めたい シリーズ用地買収② 自民党・西村明宏氏に聞く

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――3月25日、自民党は公明党とともに、土地収用手続きの迅速化を柱とした東日本大震災復興特区法改正法案を提出しました。西村議員は、衆議院の東日本大震災復興特別委員会の筆頭理事として、改正法案のとりまとめで中心的な役割を果たしました。

震災からの早期復興のためにも、用地取得のスピードを上げなければならないという意見が党内から出ていた。これまでも政府は「用地取得加速化プログラム」を策定し、現に大幅な短縮が図られている。岩手、宮城、福島の3県の用地取得率は、2013年9月末の48.1%から今年2月末には75.2%へと大きく進捗している。

収用手続きの活用増加に備え

これ以上、何が必要かという意見も党内にあったが、今後、強制力を持った土地収用手続きの活用が増えてくることを見越して、収用裁決までの期間をいっそう短縮する必要があると考えた。本来であれば、政府提出法案として法改正することが望ましいが、政府提出法案の場合は現実にどのような問題があり、解決のためにはこれが必要だと詳細まで詰めないといけない。時間の制約を考え、先々のニーズを取り込むために、与党から法案を提出した。

――自治体からは、どんなことで困っているという話が伝わっているのでしょうか。

岩手県や大槌町などから法整備の要望があることは確かだ。ただし、具体的にこの案件で困っているからこうしてほしいという情報は得ていない。宮城県の自治体からも、こういう問題で困っているという話は聞いていない。ただし、今後、高台移転などで問題案件が出てきてから対応するのでは時間がかかることから、とにかく今のうちに準備しておこうと考えた。トータルでは1年くらいスピードアップが図れると見積もっている。

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