過酷な体験が自信に…肉食社員になろう! 無人島サバイバル訓練に、ひな壇トークの実習

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ホテルチェーンのスーパーホテルは、調査会社J.D.パワーによる11年のホテル宿泊客満足度調査(宿泊費9千円未満の部門)で、1位に輝いた。1泊朝食付き4980円からとリーズナブルなのに、好みに応じて選べる枕や防音設計の部屋など、「眠り」にこだわるサービスが好評で、国内104店舗の平均稼働率は89%、リピート率は71%だ。

この好調な業績を支えるのは、従業員の高いモチベーションだと、山本梁介会長は言う。

「お客様の不満を取るには従業員の教育や訓練、マニュアル作成で対応できますが、また泊まってもらうには満足ではなく感動していただかなければなりません。従業員が自分で考えて行動する『自律型感動人間』になることを目指しています」

組織全体の改革が大事

肉食社員は定義があるわけではないが、高いモチベーションは要件の一つだろう。同社では、会社での組織目標と個人的な人生目標を、「チャレンジシート」に書き込み、週に1度、上司と部下がシートをもとに話す。上司と部下のコミュニケーションをはかると同時に、つねに目標を意識して意欲を高める効果がある。年に2回は社員から改善点などの提案を受け、社員260人から年間600通の応募があるという。もっとも、

「提案しても放っておかれるとモチベーションが下がる。できるだけ実行するようにしています」(山本会長)

確かに、肉食社員がいても、組織が生かさなければ意味がない。とくにガツガツと働く肉食社員は、草食社員にとっては煙たい存在になりがちだ。人事ポータルサイトを運営するHRプロの寺澤康介社長は、

「肉食社員を育てるためには、組織全体の意識を変えることが大切です」

と強調する。いくら研修で肉食社員に生まれ変わったとしても、配属先の職場が新たな価値観を持った社員を受け入れられなければ、その社員は元に戻ってしまう。

個人だけでなく組織が変わる必要がある。

(AERA編集部:深澤友紀)

※AERA 2014年4月14日号

 

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