過酷な体験が自信に…肉食社員になろう! 無人島サバイバル訓練に、ひな壇トークの実習

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名古屋のコールセンターを立ち上げる責任者には、入社3年目、25歳の男性社員が“当選”した。初年度の売り上げは目標の361%、2年目も前年の2倍を超える実績を残した。

「同期の中でも目立つタイプではなかった社員が自分で手を挙げ、肉食に変化した。公募制度で人材育成の速度が上がったのは確かです」(吉田さん)

ウィルグループは新卒社員の採用でも、肉食を求めている。インターンシップでは、学生たちに千円を渡し、10日間でどう増やすか競わせる。クーポンを発行するビジネスや、フェイスブックの「いいね!」を1回につき200円で売る事業など、さまざまなアイデアが出て、実際にアプリのプロモーション代行で100万円の利益を得た学生もいた。吉田さんは、

「キャベツをめくると中は肉というロールキャベツ学生や、肉食系を装った草食系のアスパラベーコン学生など、その人物の本質が見えてきます」

ひたすらエレベーター

ITで課題解決を支援するドリーム・アーツは、意欲的な外国人スタッフに対して「日本の学生は草食系に見える」との危機感から、新入社員に対して独自の研修を始めた。

昨年4月に入社した6人は2カ月半後、2チームに分けられ、会社から課題を与えられた。

「(本社が入る)ビルのエレベーターのアルゴリズムを解明し、改善策を考えよ」

実は、これは答えのない課題で、牧山公彦取締役は研修のねらいについて、

「ビジネスでは、まず自分で何が課題かを把握し、解決策を提示していく。その体験をしてもらいたかった」

と話す。6人はまず、ストップウオッチを手にそれぞれエレベーターに乗り込み、何時何分にどの位置にいて、ボタンを押したらどう動くのか、何日間もひたすら計測した。データが集まってきたところで分析し、改善策を考える。参加した綿貫雄一さん(24)は振り返る。

「何も手掛かりがない中でも、アウトプットを出さないといけない。最初から無理だと逃げ出さず、とりあえずやってみる大切さを学びました」

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