「コロナ禍」でもゴルフ場に行く人の意外な動向 コンペのキャンセル相次ぐが、個人客は?

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後半のラウンドになった。そろそろコロナと離れて、ゴルフをしたいところだが、そうもいかなかった。

先輩C:ゴルフ用品って影響あるんだろうね。

先輩B:春のゴルフシーズンに向けた新製品の稼ぎ時。でも、お披露目するはずのジャパンゴルフフェア(3月中旬)も中止になって、困っている業者はいっぱいある。

筆者A:ある調査会社によれば、3月に出す予定のスポーツ産業白書にコロナの影響を入れた市場規模予測を立てようとしても、業界関係者が茫然自失状態で、調査が進まないと。相当な損失を受けている感じですね。

先輩B:中国で生産しているゴルフ用品も多いよね。

筆者A:ゴルフだけではなく、サプライチェーンの中国への依存度が高い業界はだめでしょうね。調査がまとまったら、日本全体で膨大な損失でしょう。

先輩B:コロナの感染拡大がどこかで収束すれば、算出もできるだろうけど。コロナを抑えたとしても、経済の影響が大きすぎる。

先輩C:最終ホールだよ。気持ち、切り替えて行こうか。

自粛=一律禁止なのか…?

実際にラウンドをしてよかったとは思った。もちろん筆者はゴルフはリスクが少ない、ゴルフをやりましょうと言いたいわけではない。

例えば政府の専門家会議の見解で言われているような場所(ライブハウス・スポーツジム・屋形船・ビュッフェ・雀荘・密閉された仮設テントなど)とは異なり、人が密集せず風通しのよいオープンエアの場所、比較的感染リスクが低いと判断でき、一人ひとりが予防手段をとれるような場所であれば、楽しいと思えることを少しずつ実現するのはよいだろう。

現在、小中高校などでは一斉臨時休校となり、子どもの外出自粛ムードがある。

そんな中、3月9日に文部科学省は「学校が臨時休校でも、児童生徒が外出したら効果がないのではないか」という問い合わせに対し、

「児童生徒の健康維持のために屋外で適度な運動をしたり散歩をしたりすること等について妨げるものではなく、感染リスクを極力減らしながら適切な行動をとっていただくことが重要であると考えています」

という形の見解も公表している。健康維持やストレス解消のためにできることをするというのは決して悪いことではない。

感染拡大の終わりが見えない中ではあるが、一人ひとりが適切な行動をとることがなによりも重要だ。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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