離婚したくなったら読む「20のお金の判断基準」 1人だけの収入で本当にやっていけるのか

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私は業務上、夫婦問題カウンセラーとファイナンシャルプランナーの二刀流で活動をしていますから、離婚するか否か決断できない人に対して、まずは心の問題に向き合います。そこで答えが出ない人には前出のLPをオススメしているのです。そうすると、一生涯のお金の流れが客観的に見えてきて、「資産寿命」もわかってきます。離婚後、自分の資産がどれくらいの年数で空っぽになるかが判明するのです。

LP診断まで受けると、離婚で悩んできた女性のほぼ100%の方が迷いの渦から抜け出していきます。そのうち、70%くらいの方は気持ちが変わります。「やっぱり、離婚はやめよう」と。離婚後の生活がかなり厳しいということを突きつけられるからです。

ライフプランニングは「離婚のリトマス試験紙」

離婚自体を白紙に戻して、考え直す人もいます。あるいは「慰謝料も養育費もいらない」「算定表どおりあればいい」「もう顔も見たくないから話し合いたくない」という考えだった人が、「子供の教育費は別途協力してもらいたい」とか「話しても無駄だと思っていたけど、きちんと話し合いをしたい」などと、考えのベクトルが変わることも少なくありません。

離婚を決断した場合も、「公正証書を交わしたい」「優秀な弁護士を紹介してほしい」というように、LP診断まで受けた女性は「しっかりとしたけじめ」を望まれる傾向が強いです。LPを何パターンかつくり、キャッシュフローが改善されるまで離婚を先送りし、資産形成をする人もいます。筆者は、LPは「離婚のリトマス試験紙」だと思うのです。

アメリカでは、ファイナンシャルプランナーに相談する文化が定着しており、離婚・結婚・不動産購入・リフォーム・転職・旅行などの節目で相談するのが当たり前の州もあるようです。人生100年時代、離婚後の人生は長いですよ。焦らず、しっかり計画的に「Happy divorce」(幸せな離婚)をしてください。

寺門 美和子 FP、夫婦問題コンサルタント

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てらかど みわこ / Miwako Terakado

大手流通業界系のファッションビジネス経験後、夫の仕事(整体)を手伝い主にマネジメントを担当するが、離婚。「人生のやり直し」を決意、自らの経験を生かした夫婦問題カウンセラー資格取得を目指す中でFPの仕事と出合い、ダブルで資格を取得。顧客には「からだと心とおカネの幸せは三つ巴」とつねに語る。独立系のFP集団「FP相談ねっと」認定FP。相続診断士・終活カウンセラーとしても活動を始め、人生後半の「お金と暮らしと夫婦問題」のコンサルタントとして活躍中。

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