【検証】四季報予想はどれだけ当たったか 『会社四季報』2014年春号が発売

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予想が下方乖離している銘柄には、ご用心

景気のいい話が続いたが、もちろん四季報では会社計画に未達懸念がある場合は独自に減額予想している。やはり、会社側の下方修正を先読みしているケースも少なくない(下表)。

たとえば、リコーの場合、四季報では1400億円会社営業益見通しより100億円低い予想をしていた。この独自予想に近づけるように、1月31日に会社も下方修正を発表、1200億円に減額した。中国工場の新製品立ち上げが遅れて想定より増益幅が縮小している。

同じく100億円低い予想をしたのが、丸紅。会社側の今期見通しは営業益1700億円。一方四季報は1600億円の予想としていたが、2月7日に会社が下方修正を発表。1550億円に減額された。買収した米穀物大手のガビロンが想定外の不振で、収益貢献が僅少だった。

減額修正は株価に大きなマイナス影響を与えることが多く、下方乖離などは事前に先回りして察知しておきたいシグナルだろう。最新号でも、この上方乖離か下方乖離か、チェックしておきたいところだ。

さて、本格リニューアルなった、日本最強の個人投資家応援サイト「会社四季報オンライン」では、最新の四季報春号のデータを使用した会社計画と四季報予想の乖離が一目でわかる「上振れ期待銘柄ランキング」を掲載しています。ぜひご覧下さい。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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