アップルは「クルマ市場」で勝てるのか? CarPlayで自動車に進出するアップル
アップルはモバイルデバイスであるスマートフォンとタブレットのトレンドを牽引する役割を引き受けている。シェアこそアンドロイドが大半を占めるようになったが、アップルが評価基準となる機能を取り入れ、他社が追随するという構図が続いている。
アップルはiOS 7を発表した際、「iOS in the Car」として自動車のナビなどの情報端末との連携を発表した。今回のジュネーブモーターショーで、ブランドをCarPlayに変更し、実装された車種を披露した。初期の対応には、フェラーリ、ホンダ、ヒュンダイ、ジャガー、メルセデス・ベンツ、ボルボ。今後対応するメーカーには、BMW、シボレー、フォード、KIA、ランドローバー、三菱、日産、オペル、プジョー・シトロエン、スバル、スズキ、トヨタが並んでおり、主要メーカーのほとんどがCarPlay対応のオプションを選択することができるようになる。
ちなみにグーグルと協業しているフォルクスワーゲン・アウディはこのリストに含まれていないが、マイクロソフトと協業しているフォードはリストに入っている。また、メルセデスはすでにアンドロイドと自社のカーナビを連携させる仕組みを取り入れているが、今回、アップルのCarPlayにも参加した。
顧客の使いたいプラットホームにすぐに対応させるというテックフレンドリーな姿勢も、ブランド選びの重要な要素になっていきそうだ。
3年前からの準備が実ったCarPlay
筆者はまだCarPlay対応の画面が搭載された自動車での運転を試したことはないが、アップルが公開する画面でどのように動作するのかを知ることができる。
CarPlayに接続されたiPhoneの画面には、サービスのロゴのみが表示され、iPhoneの操作そのものをロックされているもよう。すべてのアプリではないが、CarPlayに対応するアプリケーションがクルマのディスプレーに表示される。電波表示やホームボタンなども表示されていることから、車載器に接続したiPhoneはすべて、クルマのディスプレーから操作するモードになるようだ。
操作方法はステアリングホイールのボイスコントロールボタンを押してSiriを呼び出すか、車載器の画面をタッチするか、もしくは各社でこれまで研究されてきたダイヤルやノブなどのカーインフォマティクス操作用のインターフェイスを使う。
SiriはiOS 6(iPhone 4S)での導入以来、アップルが腕によりをかけて充実させている分野だ。ハンズフリーでスマートフォンを操作する環境、すなわちクルマの中での運転中に利用できる信頼性を3年かけて磨いてきた領域だ。
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