Facebook「利用者24億人を超えた」スゴい仕組み なぜ大学生専用SNSが世界一になれたのか

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なぜフェイスブックは、瞬く間に世界中に広まったのか。ネットワーク効果を最大限に生かした仕組みとは(写真:Chesnot/Getty Images)
全世界の月間利用者数が24億人以上と言われるSNS「フェイスブック」。最初は大学生専用SNSにすぎなかった同サービスが、世界中の人々を魅了するようになった理由とは? 電通メディアイノベーションラボ主任研究員である天野彬氏の新刊『SNS変遷史 「いいね! 」でつながる社会のゆくえ』より、一部抜粋してお届けする。

フェイスブックは、初めは大学生専用のSNSだった。ハーバード大学を起点に、近隣のアイビーリーグなどを手始めとして、いわゆる優秀な大学同士がつながるようなネットワークをつくろうというのがもともとのアイデアだった。

このことからは、ミクシィも、初めは招待制だったことが思い出される。招待制にすることによって、「ぜひともその優秀な大学生しかいないネットワークに入りたい!」という気持ちが刺激されるわけだ。

創始者のマーク・ザッカーバーグはハーバード大学内の男子学生による秘密結社的な社交団体の1つ「ファイナル・クラブ」に憧れていたものの入会はかなわず、挫折を味わったのだが、それと排他的なネットワークとして生まれたフェイスブックというネットワークをつくったことには関係性があるのではないかという説もある。

最初は「意識高い系」に支持されていた

ソーシャルメディアを研究するダナ・ボイドが指摘するところでは、フェイスブックが始まった当初は、主なユーザーはいわゆる意識高い系だったという。狙いとユーザー層はマッチしていたわけだ。逆に、そうでない人々――つまり、スクールカーストが高くなく、社交というより自分の好きなものを追求するのが好きなオタク/ナード気質の若者たちは、Myspaceを使っていたのだ。

フェイスブックは「フェイスマッシュ」という、ハーバード大学の女子学生の肖像写真を収集し、容姿を格付けするというサービスが出自だった。男性からしか見られないという非対称性を伴って、もちろん大問題になり、マーク・ザッカーバーグは大学に呼び出しを食らいサービスをクローズすることになった。

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