「万年、閉塞感」な職場を変えたい人へ 奇策?賛否両論?それでもいい

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「職場の空気を一新するため、レイアウト変更を行います」

取材した食品商社は3年以上も新規採用をしていない会社。さらに売り上げ拡大が止まって5年以上。まさに閉塞感が出まくっていました。そこで新社長が登場。職場の雰囲気を変えたいと感じたようです。ただ、すぐに打ち出せる新規事業は出てこない。それでも閉塞感は払拭したい……。そこで頭をひねって、すぐできそうなことからやってみようと考えて、実施したのがレイアウト変更。

とにかく、ガラガラポンと席次を変更。座ってみると、自分の両隣はそれまでほとんど話したこともない同僚が座っている状態。さらに社長の席を個室の社長室から、オフィスの中央に変更。誰もが社長と接することができるようになりました。このレイアウトに対して、

「新鮮で仕事をやる気が高まった」

「慣れた環境が変わると落ち着かない」

と、社内では賛否両論の意見が巻き起こりました。でも、社長にはそれも織り込み済み。議論によって、社員同士が意見を言い合うようになるのも狙いであったようです。変化の乏しい閉塞感に陥った職場では、マイナスの発想しか出てきません。プラスとマイナスの意見がぶつかることで、職場は活性化すると考えたのです。

結果的に、その会社では職場の活力が高まり、業績もプラスに転じました。

レイアウト変更以外にも、比較的簡単で有効な打ち手はあります。たとえば、社名変更、あるいは外部から経営陣を招聘する、大胆な人事異動をするといったことです。

アベノミクス効果で、今、多くの企業が攻めに転じています。取り残されて閉塞感が出てしまった職場からは、社員が逃げていく可能性が大。そうならないように経営者や管理職の方々は、早急に攻めの一手を考えましょう。現場の社員の方も、勇気を出して進言してみてはどうでしょうか。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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