東京ディズニー、好調はどこまで続く? 開園30周年で入園者は過去最高の3000万人超え

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ただ、客数減少が利益の低下に直結するわけでもない。実は25周年を含む08年3月期以降、営業利益は5年連続で最高益を更新している。東日本大震災で春休みにひと月あまりの休園を余儀なくされた11年度、12年度は入園数が2500万人台と足踏みしていたが、利益は増え続けてきた。 

これまで入園者数が伸び悩んでも、客単価の上昇が支えになってきた。チケット代金を含め、昨年度は1人あたり1万0601円だったが、今年度は13年9月末までの半期で1万0920円に上昇。直近は毎年300円前後の単価上昇が続いている。

客単価上昇の要因

今年度は30周年のオリジナルグッズ寄与や、アトラクションの待ち時間や移動時間に飲食できる商品の拡充が客単価上昇につながっている。人気キャラクターであるダッフィーのぬいぐるみの着せ替え用品など、新たな商材を季節に合わせて投入し、物販で購買点数を増やす戦略も功を奏している。

また、「東京ディズニーランドホテル」や「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」など、大型新施設の開業があった09年3月期は減価償却費が497億円と多かったが、年々それは減少しており、入園者数が減っても利益への影響はある程度吸収できそうだ。

周年行事はファンのベースを上げる側面もある。今まで一度も来たことがない人への来園動機にすることや、長年来ていなかった”休眠顧客”の掘り起こしを図る狙いもある。15周年、20周年、25周年とともに当時の最多入園者数を記録してきたが、その後3~4年内にはその記録を超える数の入園者数を達成している。業績が右肩上がりのオリエンタルランドにとって、30周年という”宴”の後に予想される多少の落ち込みは、大きな問題にはならなさそうだ。

鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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