新手の国外不正送金「マネーミュール」の闇

求人サイト応募でいつの間にか資金洗浄に加担

気軽に求人サイトに応募したら、いつの間にか国際的な犯罪の片棒を担ぐハメに──。

こんな事件が、今年になって立て続けに明るみに出ている。栃木県警は1月14日、犯罪収益の海外送金を請け負ったとして、同県に住む男性を犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕した。同日、愛知県でも同じ罪で逮捕者が出ている。

二つの事件に共通するのは、「マネーミュール」と呼ばれるマネーロンダリング(資金洗浄)の新しい手口だ。マネーミュールを日本語に訳すと「おカネを運ぶラバ(ロバと馬を掛け合わせた動物)」。つまり、不正資金の運び屋を意味する。

資金洗浄をもくろむ犯罪組織が、求人サイトやメールなどで運び屋を勧誘。そこで採用した運び屋の口座に、インターネットバンキングへの不正アクセスなどで得た資金を振り込み、それを海外に送金させる。

運び屋は指示されたとおりに動くだけで、犯罪組織についての情報は何も持たない。そのため、犯罪組織は、口座からおカネを抜き取られた被害者や警察などから追跡されにくくなる。加えて問題なのは、誰でも運び屋になる可能性がある、ということだ。

栃木の事件を詳細に見てみよう。

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