ブラックマンデーがあった1987年と似てきた? 正念場を迎えた、アベノミクス

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 昨年後半から、急にきな臭くなってきた東アジア情勢。北朝鮮では実質ナンバー2だった張成沢氏が公開処刑され、中国では景気低迷と共に共産党一党独裁に対する非難の声が渦巻いています。
 そのなかで、靖国参拝に踏み切った安倍政権。民間レベルでは雪解けの機運があったのに、いきなり冷や水をかけたようなものと思う人もいるでしょう。政治的に混迷が続く東アジアは、東洋の火薬庫になってしまうのでしょうか。今回は少し趣を変えて、草食投資隊3人が投資の観点から、国際政治の話を中心に、話題を展開しました。もちろん、投資に役立つヒントが満載です。
昨年の大納会で東証を訪れた安倍首相。必要とされているのは経済の話だ(撮影:梅谷 秀司)

日経平均は弱くても、中小型は強い日本市場

中野 今年はいきなり大発会で下げましたね~。その後も不安定な動きですね。

藤野 もともと日経平均株価って、ファーストリテイリングなどの値がさ株の値動きに左右される傾向が強いのですが、昨年末にかけてはまさに値がさ株の上昇で日経平均株価は大きく押し上げられました。その反動で年初の大発会は一時400円超下げた。でも、JASDAQ平均や東証マザーズ指数などは総じて堅調で、中小型株も強い動きが続いています。

中野 でも、ちょっときな臭い雰囲気がありませんか?為替市場がいきなり円高で始まったじゃないですか。ドル/円だと年末1ドル=105円40銭前後だったのが、年始は円高傾向です。何が、この円高を招いているのか。その理由を考えると、何やらきな臭い感じがして、僕は嫌なんですよ。

藤野 靖国参拝ですか。

中野 そう。

藤野 昨年末にかけて円安が進んだじゃないですか。円安は米国、欧州、中国の経済にとってネガティブ要因だったのに、いずれも何も言わなかった。それは、安倍首相というリーダーが出てきて、外交もしっかりこなし、かつ日本経済をアベノミクスで立て直すという強いメッセージを発信していたからだと思うんですよ。欧州経済はまだまだ厳しい。中国も成長率が鈍化している。ここは日本経済に是非とも立ち直ってもらう必要がある。そういう暗黙のコンセンサスがあったから、米欧中は円安に対して何も言わずにいたのです。ところが、安倍首相は靖国参拝を行った。

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