「正社員だから幸せ」という考えは改めるべきだ 表面的なことで解決できる問題ではない

✎ 1〜 ✎ 194 ✎ 195 ✎ 196 ✎ 最新
拡大
縮小

自分はどんな生き方をしたいのか、その中で仕事の位置づけは何か、仕事をするうえでの優先順位は何か。そういったことに対して、自分自身で深く考え、信念を持っていることが重要なのです。

そう考えますと、ななさんが現在お持ちの不安や問題については、単に職場を変えればいいとか、正社員になればいいとか、そういった表面的なことで解決できるものではありません。

職場を変える、勤務形態を変えるなどはあくまでも、「何かを実現するための手段」でしかありません。

すべての問題を払拭できうる解決策ではないのです。

また、どんなに探してもすべての人にとって理想となるような職場や雇用の形態や職場環境、人間環境というものは存在しません。

例えば、ある人にとっては最高の職場環境でも、別の人から見れば最悪な環境であったりするわけですし、最高の上司も傍から見たら最悪な上司だったりもするわけです。

その違いは、仕事というものに対する考え方や優先順位の問題であったりするわけですが、要は「理想の形」が個々人によって異なるからです。

その中で個々人としてできることは、まずは自分にとっての理想の人生像を考え、そしてその中で仕事をどう位置づけるかを考え、仕事に対する自分なりの優先順位を考える、ということです。

職場や勤務環境で求める優先順位を自分で決める

楽して稼げる仕事なんて存在しませんし、すべての上司や同僚と仲良くできるような環境も存在しませんし、自分の意見がすべて通るなんてことも絶対にありません。

何かしらの制約条件が存在するものです。

そういった、制約条件や「完璧でないこと」を前提として考えざるをえないがゆえに、自分の中での軸や信念が大切になってくるのです。

これは何も仕事だけに言えることではなく、人生においても同様です。

制約条件のない人生なんて存在しません。

周りに存在する制約条件や逆境、そういったことを所与の事実として受け入れつつも、自分なりの幸せを探求し、自分自身で幸せの形を創っていくのが人生なのだと言えます。

次ページどれを正解とするかは自分自身
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT