「特例子会社」は障害者雇用に風穴を開けるか 神戸から羽ばたく、食品卸トーホーの願い

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今年初めに特例子会社を設立した、トーホーの本社

「特例子会社」という制度をご存知だろうか――。厚生労働省の資料には、「障害者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別に配慮をした子会社」と記されている。

特例子会社を設立すれば、親会社とは異なる就業時間や昇給の仕組みなど、特例子会社だけに適用できる労働条件の設定も可能となり、企業の雇用管理の弾力性が増す。また、耳の不自由な人に対しては照明などで注意を喚起する装置の導入が望まれるが、そうした設備投資を集中的に行うことができる。

厚生労働省によれば、2013年6月1日現在で特例子会社の認定を受けている企業は、前年より31社増え380社。ここ数年は年間20数社ずつ増えており、10年前と比較しても約3倍となっている。

業務用食品卸の最大手であるトーホーも、そのうちの1社だ。かねてから障害者雇用に積極的だった同社は、特例子会社「トーホーウイング」を設立し、2014年1月から営業を開始した。

設立時の従業員数は障害者8人を含む15人。障害者8人のうち3人はグループ内からの転籍で、5人を新規に採用した。主な業務内容は事業所内の清掃業務、データ入力代行などのオンデマンド業務、郵便仕分けなどの庶務業務を行う。

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